10/26(火) ䷙ 山天大畜(さんてんたいちく) 五爻三爻
【運勢】
畜は、貯えることや止めるという意味がある。
誤った道に進むことを止めることができる。吉。
普通に行えば上手く行く時である。だからこそ、猛進しないことが重要。
【原文】
《卦辭》
大畜は貞に利(よろ)し。家食󠄃せざる吉。大川を渉るによろし。
彖に曰はく。大畜は剛健篤實輝光。日にその德を新たにす。剛上りて賢を尚ぶ。能く健を止むるは大正なり。家食󠄃せずして吉。賢を養ふなり。大川を渉るによろしとは、天に應ずるなり。
象に曰はく、天山中に在るは大畜。君子以て多く前言往行(わうこう)を識して、以てその德を畜(やしな)ふ。
《爻辭》
[五爻 優先]
六五。豕の牙を豶す。吉。
象に曰く、六五の吉は、慶あるなり。
[三爻]
九三。良馬逐(お)ふ、艱貞(かんてい)に利し。
日に輿衛を閑(なら)ふ、往くところ有るに利し。
象に曰く、往くところ有るに利しとは、志を上合するなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辞》
大畜は大きく蓄へる、とどむることである。剛健篤実でますます徳が高くなることを表す卦である。剛い者が最上位に登り、賢者を尊んで賢者を養う。賢者は家から出て朝廷に仕えはじめた。吉である。大事業をするのに良い時である。
〔王弼の解釈〕
《爻辞》
[五爻 優先]
豕の牙は横にして猾、剛にして暴、制し難きの物なり。二を謂ふ也。五、尊位を得ていて、畜の主である。二、剛にして進む。能く其の牙を豶く。
柔能く健を制し、暴なるを禁じ盛なるを抑ふ。豈に唯だ能く其の位を固むるのみならんや。乃ち將に慶び有らんとする也。
[三爻]
物極まれば則ち反る。故に畜るのを、極めれば則ち通る。初二の進むは、畜の盛に値ふ。故に以て升ってはならない。九三に至りて、上九に升る。而して上九、天衢の亨るに處り、塗徑大いに通る。進みて違き距つ无く、以て馳騁す可し。故に良馬逐ふと曰ふ也。履むに其の位に當たり、進むに其の時を得る。通路に之り、險厄なるを憂へず。故に艱みて貞しきに利ある也。閑は閡也。衞は護也。進むに其の時を得。艱難を渉ると雖も、患ふ无き也。輿、閑に遇ふと雖も、故に衞る也。上と志を合はす。故に往く攸有るに利ある也。