10/27(水) ䷸ 巽爲風(そんゐふう) 初爻
【運勢】
巽は従うという意味を持つ。
立派な人が上にいるのなら、それに従うべきである。
ただ、上の人からの命令でも、自己の判断が求められるときがある。ただ、すべての命令に従うのではなく、本当に意思があるのなら自分を突き通す必要がある時でもある。
【結果】䷸◎初
巽爲風(そんゐふう) 初爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陽][二爻 少陽][初爻 老陰]
《爻辭》
[初爻]
【原文】
《卦辭》
巽は小(すこ)し亨(とほ)る。往く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大人を見るに利し。
彖に曰はく、重巽以て命を申(かさ)ね、剛、中正に巽して志行はる。柔皆剛に順ふ。是を以て小し亨る。往く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大人を見るに利し。
象に曰はく、隨風は巽。君子以て命を申(かさ)ね、事を行ふ。
《爻辭》
初六。進退す。武人の貞に利し。
象に曰く、進退すとは、志疑うなり。
武人の貞に利しとは、志治るなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
巽の德であるから、少しうまく行く。上下ともに巽。令に違わず命が行われる。だから命が重なり、事が行われる時、上下ともに巽なのである。巽はよく仕えて行くことである。拒むものはない。大人は巽を用いて道がいよいよ盛んになる。剛が巽を用いる。中正に居るのは譲られたのである。明󠄃は間違えることがない。だから少しうまく行くのである。
《爻辭》
令の初に處り、未だ服し令すること能はざる者なり。故に進退するなり。命を成し邪を齊ふるは、武人より善なし。故に武人の貞に利し。以て之を整ふ。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
巽は順である。一陰が二陽の下に居て陽に順っている。また、入るという意味もある。風、木、命令を意味する。五爻は剛で中正である。大人の象である。命令に重複がある。初爻と四爻は陰であり、陽に順う。大きなことは出来ないにしても、小さなことは出来る。命令は、剛が過ぎれば厳しすぎて民が従えず、乱れてしまう。柔が過ぎれば緩くなり、秩序が乱れてしまう。剛中の君に柔が順う状況なら、大きな成功は見れなくても、官職について君に仕えるのに支障はない。
《爻辭》
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
巽は四爻目の陰爻と初爻目の陰爻が卦の主である。
陰爻は、上に重なる陽爻に順っていけば能く亨り、進んで事を行う所に宜しきを得る。
この卦はもとは山風蠱から変わったものである。
天子の晩年に政治が乱れ、崩御後に太子が即位した。
そして朝廷に入り込んだ小人を除きさり、天下を斉(ととの)えた所の象である。
古代、堯が隠居して舜に政を斉えさせたのは、まさに此の卦の義である。
[彖傳]
なし
[象傳]
巽は重ねて命令を下し、能く下へ諭す。
是までの政の弊害を悉く除いた後で命令を下す。
剛は五爻目で、中正の所に坐っており、思う通りに志が行われて往く。
柔は初爻目で二・三爻目に順う。
四爻目も五・上爻目に順う。
そこで小人は大人を見て順い事を行うのが宜しい。