11/7(日) ䷮ 澤水困(たくすいこん) 五爻

11/7(日) 澤水困(たくすいこん) 五爻

【運勢】
言葉巧みに物事を進めようとしても、内実が伴わなければ信頼はされない。
着飾ろうとせず、成果の出ない時は寡黙に努力し誠実さを体現すると良い。
消極的、悲観的な物の見方を改め、賢人の助言を受ける事が大切である。


【結果】
䷮◎
澤水困(たくすいこん) 五爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 老陽][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[五爻]


【原文】
《卦辭》
困は亨(とほ)る。貞なり。大人は吉にして咎なし。言ふ有り。信ぜられず。彖に曰はく、困は剛、揜(おほ)はるるなり。險以て說󠄁(よろこ)ぶ。困みてその亨るところを失はず。それただ君子のみか。貞なり。大人は吉。剛中を以てなり。言有り。信ぜられずとは、口を尚(たうと)べば乃ち窮まるなり。象に曰はく、澤に水なきは困。君子以て命を致して志を遂ぐ。


《爻辭》
九五。劓られ、刖られ。赤紱に困しむ。乃ち徐にして說󠄁び有り。用て祭祀するに利ろし。


【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
[王弼]
困は苦しむことである。しかし、最後は苦しいながらも屈することなく困難から脱出できるだろう。
[東涯]
正しく生きるということは元々困難なものである。それでも正しいことを続けていかなければならない。徳のない人にはできないことである。口で立派なことを言っているだけでは駄目である。行動が伴わないと信用されない。


《爻辭》
五爻は為政者の爻である。鼻を切られ、足を切られる困難な状況である。そこで赤紱という礼服を着て賢者を待つがまだ来てくれない。しかし急がずゆっくりとしていれば、志を遂げることができ、喜びも訪れる。必ず賢者が来てくれて、共に祭祀を行うことで、福をえよう。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
上卦の兌は堤防で水を止めて置く所である。他方、下卦の坎は流れる水である。つまり堤防の底から水が流れており、貯えた水が尽きて無くなる。即ち水不足による困となる。『説文解字』には、古廬(古き家)とあり、家の用を為さないことが困とある。しかし人というものは、困難に遭うことで益々奮発し気力が振るう。其れで大いに亨る所がある。孟子にも、天が国家の大事を任せ得ると思う人間に対しては、天の方から困難を与えるとある。九二は剛中で中を得ており大人(たいじん)であるが、初爻と三爻目の二陰=小人(しょうじん)に一陽が挟まれている。つまり君子が小人の為に苦しめられる所の象である。もし讒言に罹っても、正しきを弁ずるのはいけない。ここで君子は争わずに時を待たねばならない。
[彖傳]
「剛弇(おお)はるる」というのは、二爻目が陰爻に挟まれていることである。「険以説」というのは、困難の中にあって困らず、身が苦しくても心は道を失わず、亨る所となる。「言あるも信ぜられず」というのは、困難に遭った時に正しい所を弁じてはかえって窮する。それで言わない方が良いのである。
[象傳]
水が無くなり窮する所となるが、君子は天より享けた命=道徳を行う。何処までも履(ふ)んで行こうとする志を遂げるのである。


《爻辭》

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