11/20(土) ䷇ 水地比(すゐちひ) 二爻
【運勢】
大事は一人で進めようとせず、仲間と役割を分担し、成果を共有する事が大切である。
仲間を集める時は、消極的、俗物的な者を避けなければならない。
間違いがあれば直ぐに認め反省する、模範的で柔軟な対応を取ると良い。
【結果】䷇◎二
水地比(すゐちひ) 二爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 老陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[二爻]
【原文】
《卦辭》
比は吉なり。原筮(げんぜい)。元永貞(げんえいてい)にして咎(とが)めなし。寧(やす)からざる方(まさ)に來たる。後るる夫は凶。
彖(たん)に曰はく、比は吉なり。比は輔(ほ)なり。下順從するなり。原筮、元永貞にして咎めなしとは、剛中(ごうちう)を以てなり。寧(やす)からざる方(まさ)に來たるとは、上下應ずるなり。
象に曰はく、地の上に水あるは比。先王(せんわう)以て萬國を建て、諸侯を親しむ。
《爻辭》
六二。之れを比するに内よりす。貞吉。
象に曰く、之れを比するに内よりすとは、自ら失はざるなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
比の時にあり、筮によって咎なきを求めようとしている。
元永貞であろうか。
人が群れて互いに親しみ、元永貞で無ければ、凶邪の道である。
もし主に遇わなければ、永貞といえども咎を免れることが出来ない。
永貞で咎なき者は、ただ五爻のみであろう。
上下に五爻以外に陽がない。
すべて五爻に帰す。
親しみ安心する。
後れるものは凶である。
《爻辭》
比の時に處り、中に居りて位を得る。而して五、在るに繋ぎ應ず。他より來たること能はず。故にそれ内よりす、貞吉を得るのみ。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
比は相附き比することである。
九五が位を得ている。
そしてほかの五陰がつき従う。
多くのものが一人を助けている。
吉である。
元永貞の後に郡陰に当たれば咎めがない。
まだ安住の地に居ないものがいる。
どんな剛強の者でも咎を免れない。
柔弱󠄃であれば猶更である。
《爻辭》
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
比は親密なる所である。
比は密であり、密は物と物とが密着して間に隙間の無いことである。
上卦は水、下卦は地である。
水は地の中に浸み込んでくるから、水と土は離れることが無く、密着した状態である。
五爻目は陽爻で天子にあたる。
天子は人民と密着しており離れることが無い。
ちょうど水と土の関係のようである。
これは吉である。
「筮」は神に吉凶を問い訊ねることで、「原」は再びという意で三度問うことである。
つまり天子は神に吉凶を訪ねるのと同じように、諸々の人民へ何事も懇ろに問い訊ねて事を謀るのである。
「元永貞」とは元徳を持つ人が、永く怠らず、貞しい所を守っていることである。
これは堯舜(古代中国で徳をもって天下を治めた聖天子である堯(ぎょう)と舜(しゅん)。
転じて、賢明なる天子の称のようなものである。
「後夫凶」は、四方の国が名君に服しているのに、後に残って服せずに居る男が禍を受けることである。
[彖傳]
比は吉である。
また互いに相輔けることである。
「下順従」の「下」は下卦の坤=人民のことである。
そして「順従」は坤の卦の象であり、人民が皆九五の天子のもとに集まってくることである。
「不寧方来」は上から下まで残らず天子に応じて服して来ることをいう。
「後夫凶」は名君に服さない者が、自ずから往くべき所がなくなり、その道に窮することをいう。
[象傳]
地の上に水があるのが比である。
地に悉く浸み込んで来る水は、名君の徳性が深く人民の方へ浸み込んでいく例えである。
君と民は親密な関係であり、離れようもない。
こうした君民一体の関係に、皇統一系の象が含まれているのである。
《爻辭》