12/21(火) ䷋ 天地否(てんちひ) 変爻無し

12/21(火) 天地否(てんちひ) 変爻無し


【運勢】
世の中が大いに乱れ、正しさを守る事が難しい時は、周りに迎合せず俗欲を抑えて控えめに過ごすと良い。
常に冷静に、その上で長期的に判断する事が大切である。
志を内に秘め地道に進めれば、何事も上手く行くだろう。


【結果】

天地否(てんちひ) 変爻無し
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陽][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[変爻無し]


【原文】
否は之(こ)れ人に匪ず。君子の貞によろしからず。大は往き、小は來る。
彖に曰はく、「否は之れ人に匪ず。大は往き小は來る」とは、則ち是れ天地交はらずして、萬物通ぜざるなり。上下交はらずして天下邦无(な)きなり。内、陰にして外、陽。内、柔にして外剛。内小人にして外君子なり。小人は道󠄃長じ、君子は道󠄃消ゆるなり。
象に曰はく、天地交はらざるは否。君子以て德を儉し難を避け、榮するに禄を以てすべからず。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
否者、閉塞なり。此卦、内坤にして外乾。卦變泰興相錯。泰の三陽往きて外に居る、三陰來て内に居る。此の天氣は上騰し、而して地氣は下降す。陰陽隔絶す。相交わりて通らざるの象有り。故に卦の名否に曰く、天地交わらず。則ち萬物成らず、萬物の生は人の大爲なし。故に辭系人に匪ずと云ふ。上下否隔、國その國非ず、君子道を行ふの時に非ず、


〔東涯の解釋〕
否は塞がる、匪人は悪人の意󠄃味である。
天地が通じず、上下の意思が通わない様を表す。
世の中が乱れる時である。
君子が正しくしていても、臣下や国民には伝わらない。
悪人が栄え、有徳者は德を隠す。
このような時には、徳のある者は徳を隠し、控えめにするのが良い。


〔根本通明の解釋〕
否は塞がるの義である。
天地陰陽の気が塞がっている。
これは地天泰と反対である。
こうした隔絶をつくったのは匪人である。
匪人は人間でなく、悪の最も大なるものである。
君子が正しい政治を行っても災を受け、小人が権力を握る。
このような状態では咎を無くし、誉も出ないように謹慎しなければ危うい。
大往小来は、陽が外の方へ往ってしまい、陰ばかりが内側に来ることである。
[彖傳]
天の気が上にあり下に降ってこない。
地の気は下に滞って上に騰がっていかない。
天地の気が交わらなければ、萬物は生長して往かない。
上は上で高振って下を顧みず、下は下で上を上と思わず尽くす所が無い。
君臣の道も、親子の道も無く、禽獣の住む所と変わらず、人間の国ではない。
外卦は陽爻で内卦は陰爻である。
これを一人の小人とすれば、内の心は柔弱で陰、外は無理に剛を偽って拵える。
朝廷とすれば、内にばかり在って政務を執るのは小人、外に出て遠くの田舎にまで往くのは君子である。
世の中が欲ばかり盛んになれば、道徳は廃れ、君子の正しい道は段々と消滅してくる。
それを小人の道が長じて、君子の道が消するという。
[象傳]
天地陰陽の気が調和せず、萬物は害を受け、人間の身体も病弱になる。
君子は我が身を全うすることを心掛け、なるべく徳を内に仕舞込んで用いない。
徳を外に顕すと小人に憎まれて必ず害を受ける。官から禄を与えるといっても、出れば害に遭うから賢人は出てこない。
そこで営するに禄をもってすべからず。
後世の本には「栄」の字で書いてあるが、古い方の「営」が正しい。

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