12/23(木) ䷝ 離爲火(りゐか)→䷩ 風雷益(ふうらいえき)

12/23(木) 離爲火(りゐか)→ 風雷益(ふうらいえき)


【運勢】
柔軟な思考を持ち、日常の中で相手の心情を汲み取る事が大切である。
勢いだけで無く、明確な目標や信念を持って行動すると良い。
上に立つ者が模範となり正しさを共有すれば、何事も上手く行くだろう。


【結果】

本卦:離爲火(りゐか)
之卦:風雷益(ふうらいえき)
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陰][四爻 老陽]
[三爻 老陽][二爻 少陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[五爻][四爻][三爻]


【原文】
《本卦:
離爲火》
離は貞に利(よろ)し。亨(とほ)る。牝牛を畜(やしな)へば吉。
彖に曰はく、離は麗なり。日月は天に麗(つ)き、百穀草木は地に麗き、重明󠄃以て正に麗く。乃(すなは)ち天下を化成す。柔、中正に麗く。故に亨る。是を以て牝牛を畜へば吉なり。
象に曰はく、明󠄃兩たび作るは離。大人以て明󠄃を繼ぎ、四方を照らす。


《之卦:
風雷益》
益(えき)は、往く攸(ところ)有るによろし。大川を涉るに利し。
彖に曰く、益は上を損して下を益す。民說󠄁(よろこ)ぶこと疆(かぎ)りなし、上より下に下る。其道󠄃大に光なり。
往く攸(ところ)有るに利(よ)しとは、中正(ちうせい)にして慶(けい)有り。大川を涉るに利しとは、木道(もくどう)乃ち行く。益は動いてしかして巽(したが)ふ、日に進むこと疆(かぎ)りなし。天施し地生(しょう)ず。其益方(かた)なし。凡そ益の道󠄃は、時と偕(とも)に行ふ。
象に曰く、風雷は益。君子以て善を見れば則ち遷(うつ)り、過(あやまち)有れば則ち改む。


【解釋】
《本卦:
離爲火》
〔王弼の解釋〕
離は柔であることが正しい。だから、必ず正しくして後にうまく行く。陰爻が卦の真ん中にある。牝の善いものである。外は強くて内は柔らかい。牛の善いものである。柔順を良しとする。凶暴な動物を飼ってはならない。牝牛を飼うのが良い。それぞれのものが、あるべき場所にあるのが良い。陰爻が真ん中に在ればうまく行く。吉。強暴な動物を飼うべきでない。


〔東涯の解釋〕
離は附くということである。一陰が二陽の間についている。火であり、日であり、電気であり、德としては明󠄃である。皆柔順であることを知っている。明󠄃は正しくあるのに良い。世の中で明󠄃を用いれば、正を失いがちである。明󠄃が二つ重なる状態で正を忘れなければ、天下を化成することが可能である。坤では牝馬の貞によいとあったが、この離では牝牛である。柔順の徳というより、柔順な人に服するのが良い。智の至りである。明󠄃とは日のことである。前の日が没しても、次の日の出がある。君子はこれを体現し、前の王の明徳を継いでいくのである。


〔根本通明の解釋〕
離はつくの意󠄃味である。正しくあればどこまでもよい。陰が陽爻二つの間についている。この陰爻は坤からきた。牝牛は柔順であり、温厚である。二爻と五爻が牝牛であるから、柔順の徳をやしなうべきである。
[彖傳]
乾の卦の二爻と五爻に陰爻がついたのである。日月は天について天下をあまねく照らす。また百穀草木は地に附いて盛んである。明󠄃の上に明󠄃が重なっているので、重明󠄃という。それが皆正しい位置についている。日月が天下を照らすように、君主も今日も明日も正しさを失わずにいれば、あまねく天下を化すことが出来る。中正なる所󠄃に居るのは二爻である。牝牛というのは二爻のことである。天子は每日明徳を以て政治をしなければならない。


《之卦:
風雷益》
〔王弼、東涯の解釋〕
益は増すこと、増やすことである。
否の上卦の四爻が陽から陰となり、下爻の初爻が陰から陽になっているので、上が損をして下が得をした象である。
上の者が損をして、下の者󠄃を助けることはとても良いことで、また二爻が陰、五爻が陽で、中正であるので、大事業をするのに好機である。
上の者が動けば(震)、下の者が従う(巽)象である。


〔根本通明の解釋〕
この卦は、前の卦の山沢損と反対である。
山沢損は地天泰より来た。
そして地天泰は天地否から来た。
天地否は、上卦は乾、下卦は坤である。
坤は空しさの象で、人民の困窮する卦である。
そこで九四の陽爻が下りて、初六の陰爻が上る。
これで風雷益の卦になる。
これが下を益するという義である。
上卦の震は、農業の卦である。
人民を富ますのは農業であり、これは何処までも推奨される。
それで「利有攸往」である。
こうして人民が富んでいれば、如何なる大難が起こっても踏み越えて往く所となる。
よって「利渉大川」である。
[彖傳]
「損上益下」とは、天地否の九四の陽爻を一つ損(へ)らして、代わりに初六の陰爻を益すことである。
そこで民が説(よろこ)ぶ。
陽が段々進んで往けば兌の卦になる。
農事が盛んになればなるほど、人民は利益を得る。天の気が地の底に下って万物が生じる。
出で来たものは大きくなって花が咲き草木に光を生じる。
よって「其道光大」となる。
「中正にして慶(よろこ)び有り」とは、中正(二爻が陰、五爻が陽で、爻が定位通りであること)の五爻目の天子に、同じく中正の二爻目が応じることである。
いわば名君と忠臣が相助けて人民を生育する所に、慶びが出で来る。
「木道乃行」とは、震と巽に対応する五行が双方とも木であり、万物が盛んになることである。
[象傳]
上卦が巽=風で、下卦は震=雷である。雷が起こると、風はこれを助ける。
また巽は外卦であり、修飾して能(よ)く齊(ととの)えるという所がある。
つまり外の人が行いを修めて行く所を見れば、周囲の者も自ずから其の方へ従って遷って往く。
そして過ちがあれば速やかに改める。
震には過ぎるという象があり、もし往き過ぎれば、物を害してしまう。
雷山小過は霆(激しい雷)である。
雷は下から上に昇るが、霆は上から打ってくる。
これは往き過ぎである。
善い事も過ぎると害を為すから、これを改めなければいけない。

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