12/30(木) ䷝ 離爲火(りゐか) 五爻初爻

12/30(木) 離爲火(りゐか) 五爻初爻


【運勢】
上に立つ者が模範となり、皆が正しさを共有すれば、秩序は守られ、何事も上手く行くだろう。
悲しみや苦しみに苛まれている時は、己の弱さを知る良い機会である。
素直に自らを省みて、軽率な行動を慎む事が大切である。


【結果】
䷝◎⚪︎
離爲火(りゐか) 五爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陰][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 少陰][初爻 老陽]
《爻辭》
[五爻 優先][初爻]


【原文】
《卦辭》
離は貞に利(よろ)し。亨(とほ)る。牝牛を畜(やしな)へば吉。彖に曰はく、離は麗なり。日月は天に麗(つ)き、百穀草木は地に麗き、重明󠄃以て正に麗く。乃(すなは)ち天下を化成す。柔、中正に麗く。故に亨る。是を以て牝牛を畜へば吉なり。象に曰はく、明󠄃兩たび作るは離。大人以て明󠄃を繼ぎ、四方を照らす。


《爻辭》
[五爻 優先]
六五。涕を出すこと沱若たり。戚嗟若たり。吉。
象に曰く、六五の吉は、王公に離けばなり。
[初爻]
初九。履むこと錯然たり。之れを敬して咎なし。
象に曰く、履錯の敬は、以て咎を辟くるなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
離は柔であることが正しい。だから、必ず正しくして後にうまく行く。陰爻が卦の真ん中にある。牝の善いものである。外は強くて内は柔らかい。牛の善いものである。柔順を良しとする。凶暴な動物を飼ってはならない。牝牛を飼うのが良い。それぞれのものが、あるべき場所にあるのが良い。陰爻が真ん中に在ればうまく行く。吉。強暴な動物を飼うべきでない。


《爻辭》
[五爻 優先]
履むに其の位に非ず、履む所に勝へず。柔を以て剛に乘り、下を制すること能はず。下は剛にして進み、將に來りて己を害はんとす。憂ひ傷むの深きなり。沱し嗟くに至るなり。然るに麗く所尊に在り、四、逆に首となる。憂ひ傷むこと至深なり。衆の助くる所なり。故に乃ち沱し嗟きて、吉を獲るなり。
[初爻]
錯然は警戒し愼しむ樣である。離の初めで進むことが盛んである。然し未だ渡り切れていないので、行動は慎むべきである。敬を大切にすれば問題を回避できる。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
離は附くということである。一陰が二陽の間についている。火であり、日であり、電気であり、德としては明󠄃である。皆柔順であることを知っている。明󠄃は正しくあるのに良い。世の中で明󠄃を用いれば、正を失いがちである。明󠄃が二つ重なる状態で正を忘れなければ、天下を化成することが可能である。坤では牝馬の貞によいとあったが、この離では牝牛である。柔順の徳というより、柔順な人に服するのが良い。智の至りである。明󠄃とは日のことである。前の日が没しても、次の日の出がある。君子はこれを体現し、前の王の明徳を継いでいくのである。


《爻辭》
[五爻 優先]
[初爻]
錯然とは交錯したさまをいう。剛で下に居る。上に応じるものが無い。志は上を目指すが、進むことができない。慎んで敢えて進むべきでない。人は下に居ると上を目指してしまうものであるが、上に応援する人が居ない場合は成功しない。却って恥をかく。まずは慎むことである。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
離はつくの意󠄃味である。正しくあればどこまでもよい。陰が陽爻二つの間についている。この陰爻は坤からきた。牝牛は柔順であり、温厚である。二爻と五爻が牝牛であるから、柔順の徳をやしなうべきである。
[彖傳]
乾の卦の二爻と五爻に陰爻がついたのである。日月は天について天下をあまねく照らす。また百穀草木は地に附いて盛んである。明󠄃の上に明󠄃が重なっているので、重明󠄃という。それが皆正しい位置についている。日月が天下を照らすように、君主も今日も明日も正しさを失わずにいれば、あまねく天下を化すことが出来る。中正なる所󠄃に居るのは二爻である。牝牛というのは二爻のことである。天子は每日明徳を以て政治をしなければならない。


《爻辭》
[五爻 優先]
[初爻]
初九は東から日が出ようとする所であり、未だ昧(くら)いから道が判然としない。此処で軽々しく進んで往けば、石に躓いたり穴に堕ちたりと云う様な事がある。其所で油断せずに、能々慎まなければいけない。是を人で解釈すると、未だ学問が明らかで無く、自身の行いに又疑いが起って来る。しかし十分に慎みを加えて往けば、咎を受ける事は無い。
[象傳]
足を履み進めて往く時には、紛らわしい所で道を過る事の無いように、慎しみが必要である。そうすれば咎を避ける事が出来る。

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