1/9(日) ䷎ 地山謙(ちさんけん) 上爻四爻

1/9(日) 地山謙(ちさんけん) 上爻四爻


【運勢】
謙虚な姿勢で望み、常に相手の気持ちに寄り添う事が大切である。
謙譲の美徳を蔑ろにし、集団の不和を起こす者には、厳しく対処すべきである。
信頼出来る仲間と切磋琢磨する事を当たり前だと思わず、感謝すると良い。


【結果】
䷎◎⚪︎
地山謙(ちさんけん) 上爻四爻
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 少陰][四爻 老陰]
[三爻 少陽][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[上爻 優先][四爻]


【原文】
《卦辭》
謙は亨(とほ)る。君子は終はり有り。彖に曰はく、謙はとほる。天道下濟して光明。地道卑(ひく)くして上行す。天道は盈(えい)を虧(か)きて、謙に益す。地道󠄃は盈を變じて謙に流る。鬼神は盈を害して謙に福す。人道は盈を惡(にく)みて謙を好む。謙は尊くして光り、卑(ひく)くして踰ゆべからず。君子の終はりなり。


《爻辭》
[上爻 優先]
上六。鳴謙す。用ふるに師を行り、邑國を征するに利し。
象に曰く、鳴謙すとは、未だ得ざるなり。師を行り邑國を征するに用ふべしなり。
[四爻]
六四。利しからざることなし。謙を撝す。
象に曰く、利しからざることなし、謙を撝すとは、則に違はざるなり。


【解釋】
〔王弼、通解の解釋〕
《卦辭》
謙は謙譲や謙遜の意󠄃味である。
平面な地卦の下に高いはずの山卦がある様が謙遜を表す。
謙譲の徳を持っている者は、どんなところでも歓迎されるし、尊敬される。
しかし、謙譲の美徳は昇進するにつれて失いがちである。
謙譲の美徳を持ち続けて、人の上に立つことは難しい。
君子とは最後まで謙譲の美徳を全うすることができる人のことである。
これを有終の美という。
謙譲の美徳を有する者が上にいると、下の者を大切にするので、下の者は自分の実力を活かすことができる。
また、謙譲の美徳を有する者が下にいると、周りの人がその徳を慕って昇進を求める。


《爻辭》
[上爻 優先]
最も外に處り、内政に與らず。故に名有るのみ。志、功、未だ得ざるなり。外に處りて謙順なるを履む。以て邑國を征するべきのみ。
夫れ吉凶悔吝は、動より生ずる者なり。動の起くる所は、利より興る者なり。故に飮食には必ず訟ひ有り。訟へば必ず衆の起こる有り。未だ衆人の惡む所に居ること有らずして、動く者の害ふ所と爲る。競はざるの地に處りて、爭ふ者の奪ふ所と爲る。是を以て六爻位を失ひ、應ずるなく、剛に乘ること有ると雖も、皆凶咎悔吝なきは、謙を以て主と爲ればなり。謙尊くして光いなり、卑にして踰ゆべからず。信なるや。
[四爻]
三の上に處りて謙を用ふ。則ち是れ上自り下に下るの義なり。五を承けて用て謙順たり。則ち是れ上に行く道なり。上を奉じ下に下るの道を盡くす。故に利しからざることなし。指撝すること皆謙なり。則に違はざるなり。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
謙は「へりくだる」と言われるが、本当は「小さい」という意味である。
我が身が小さくなって人の下に降って居る。
古くは言偏の無い「兼」の字であった。
小さいために一つで足らず合わせるという義である。
他に口偏を附けた「嗛」の字もあり、子夏伝はそう書いている。
口の中に入るだけの小さな物を含んでおり、嗛嗛之食という言葉は僅かの食物のことである。
小さいというのが本来の義である。
卦の象では地の下に山があり、人民の下に我が身を引き下げて小さくなって居る。
二・三・四爻目に坎がある。
水には功労があるが、低い所に居るので、謙遜の義がある。
これなら何処へ行っても尊ばれ亨ることになる。
しかし真実の謙虚さでなく、人望を得るために拵えて行うのは長く亨らない。
[彖傳]
天道下済とあるのは、上に在る天の陽気が降って来て地の徳を成すことである。
元は乾の一番上にあった陽爻が下に降って九三となったのである。
光明は三爻目に降りて来た陽爻である。
また元は三爻目にあった陰爻が一番上に上がったから上行という。
元の乾の卦が陽爻ばかりで剛に過ぎるので盈(えい)に虧(か)く。
上に居るべき人が小さく為って、人の下に降るのが謙である。
我が身を下しても人が侮って其の上を踰(こ)えて往くことは出来ない。
卑い所に居れば居るほど人が尊んでくる。
そうして君子は終を遂げる所となる。
[象傳]
上卦が地で下卦が山である。
地の広い方から見れば山が小さい。
天地の道理は何でも盈ちる所があり、それを虧かなければいけない。
そこで多い方から取って、少ない方へ益す。
政でも米を多い所から寡(すく)ない所に益すようにする。
政は物の多少を量り、平らかにしなければいけない。


《爻辭》
[上爻 優先]
[四爻]

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