1/26(水) ䷹ 兌爲澤(だゐたく) 上爻五爻
【運勢】
自らの発言に責任を持ち、軽率な行動を慎むと良い。
支える者の負担が少なく、支えられる者が、多くの恩恵を受けられる状態を維持する事が大切である。
真に仲間の幸せを願えば、共に喜びを分かち合う事が出来るだろう。
【結果】 ䷹◎上⚪︎五
兌爲澤(だゐたく) 上爻五爻
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 老陽][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻 優先][五爻]
【原文】
《卦辭》
兌(だ)は亨(とほ)る。貞によろし。彖(たん)に曰はく、兌は說󠄁(よろこ)ぶなり。剛は中にして柔は外。說󠄁(よろこ)びて貞によろし。ここを以て天に順(したが)ひて人に應ず。說󠄁(よろこ)びて以て民に先(さきだ)てば、民その労をわする。よろこびて
以て難󠄄を犯せば、民その死をわする。說󠄁の大、民勧むかな。
象に曰はく、麗澤(れいたく)は兌。君子以て朋友講習す。
《爻辭》
[上爻 優先]
上六。引いて兌ぶ。
象に曰く、上六。引いて兌ぶとは、いまだ光ならざるなり。
[五爻]
九五。剥に孚あれば、厲きこと有り。
象に曰く、剥に孚ありとは、位正に當るなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
兌は喜ぶこと、嬉しいことである。
この卦は☱が二つ重なってできている。
☱は内に强い意志を持ち、外に対しては温和な態度で臨むので、人との付き合いはうまく行き、人間関係は良好である。
内に强い意志を持ち、外に対して温和な態度の人は、天道にも、人道にも逆らわない良い人である。
喜びを大切にすれば、他の人はどんな労力も厭わずに協力してくれる。
《爻辭》
“王弼”
[上爻 優先]
夫の陰質を以て、最も説の後ろに處り。静かにして退く者なり。故に必ず引く。然る後に乃ち説ぶなり。
[五爻]
上六に比す。與に相得て、尊正の位に處り。陽に信あるを説ばずして、陰に信あるを説ぶ。剥に孚あるの義なり。剥の義爲るや、小人の道長ずるの謂なり。
“東涯”
[上爻 優先]
[五爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
兌は喜びである。
自然と出る喜びが本当のもので、私心からの喜びは偽りである。
立心偏のない「兌」が本来のもので、立心偏を添えた「悅」や言偏を添えた「說」になるのは後の事である。
彖伝が「說」の字で書くのは、喜びを言葉で表すからである。
上卦下卦とも兌であるのは、己と他者が互いに喜ぶ象である。
互いに相助ける所があるので、何事も亨るのである。
『中庸』に「致中和天地位」とある。この中和が兌の卦にあたる。
中庸の道を行い、人がそれに服し、親しみ和合するなら、天地陰陽の気までも調和する。
あくまで作られた喜びでなく、正しい所が無ければいけない。
そこで「貞利」なのである。
[彖傳]
「兌悅也」というのは、沢山咸の「咸感也」と同様に、「心」の字の有無と同じである。
「剛中」は二爻目、五爻目が陽爻で、それぞれ上卦下卦の中を得ていることを云う。
「柔外」は三爻目、上爻が陰=柔らかであることを云う。つまり剛は明らかにして正しく、外の人には穏やかで柔らかに交わるのである。
それによって自他ともに喜ぶのであり、正しい所にあるのがよろしい。
この卦を天地人の三才に分けてみると、上の二爻が天、下の二爻が地、中の二爻が人となる。
「天に順い」というのは、五爻目は天の正しい位で、其れに上六が陰爻で順っていることである。
また「人に応ずる」は、人にあたる三爻目が陰爻で、地にあたる二爻目が陽爻であるから、人に応じているのである。
己が先ず喜びを起こすことで、民も喜び順う。
上下和順しているから、民は労苦を忘れて働き、戦争が起これば難を犯して戦ひ、死をも忘れて尽くすのである。
[象傳]
兌の卦を澤と言う。
澤は潤うという義で物に湿潤の気を含んでいる。
『国語』の「周語」に、澤は美(水)を鐘(あつ)めるとある。
これが麗澤である。
《爻辭》
[上爻 優先]
[五爻]