2/7(月) ䷔ 火雷噬嗑(からいぜいごう) 上爻三爻
【運勢】
悪事は早めに改める事が大切である。
驕慢さが極まると、過ちを指摘されても、素直に聞く事が出来なくなってしまう。
強情な人に対して、あれこれ難しく考える必要は無い。
規則に則り、冷静に対処すれば良い。
【結果】䷔◎上⚪︎三
火雷噬嗑(からいぜいごう) 上爻
《卦辭》
[上爻 老陽][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 老陰][二爻 少陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻 優先][三爻]
【原文】
《卦辭》
噬嗑は亨(とほ)る。獄を用うるによろし。
彖に曰く、頤(おとがひ)の中に物有るを噬嗑といふ。噬(か)み嗑(あは)して亨る。剛柔分かれ、動いて明󠄃なり。雷電合して章なり。柔、中を得て、上行す。位に當たらざると雖も、獄を用うるに利しなり。
象に曰く、雷電は噬嗑。先王以て罰を明󠄃らかにし、法を勅ふ。
《爻辭》
[上爻 優先]
上九。校(かせ)を何(にな)ひ、耳を滅する。凶。
象に曰く、校を何ひ、耳を滅するとは、聡明󠄃らかならざるなり。
[三爻]
六三。腊肉を噬みて、毒に遇ふ。小し吝なり。咎なし。
象に曰く、毒に遇ふとは、位當たらざるなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
噬はかむこと。
嗑は合わせることである。
物は親しくなかったら、間を開けるものである。
物が整わず、過ちがある。
噛み砕いて合わせると通ずる。
噛まなければ通じない。
刑に服して改心するのは獄の利である。
剛柔が分かれて動けば乱れず、明らかである。
雷電が合わされば明るい。
獄に用いるべきである。
五爻が主爻である。
五爻は位に当たっていないが、獄に用いるのに良い。
《爻辭》
[上爻 優先]
極刑に処す。
惡を積みて改めないものである。
いくら刑に服しても改めないので、絞首刑となり、耳を失う。
耳を失っても改めない。
これほどの凶はない。
[三爻]
下體の極に處りて、其の位に非ざるを履む。斯を以て物を食へば、其の物必ず堅なり。豈に唯だ堅なるのみならんや、將に其の毒に遇はんとす。噬は以て人を刑するを喩へ、腊は以て服さざるを喩へ、毒は以て怨み生ずるを喩ふ。然して四を承けて、剛に乘らず。其の正を失ふと雖も、刑するに順なるを侵さず。故に毒に遇ふと雖も、小し吝なり、咎なし。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
噬嗑は嚙合わせることである。
物が口の中に入っている。
これを嚙合わせるのである。
上下に二陽があるが、これが口である。
四爻の陽爻が口の中のものである。
内卦は動いて外卦は明󠄃るい。
この卦は賁から来ており、賁の二爻が上に昇って五爻に来ている。
位に当たっていないが、君位に居て柔順の德と勢いを失っていない。
刑罰を執行するによい。
剛と柔が卦の中を得ており、偏りがない。
《爻辭》
[上爻 優先]
何は荷うである。
陽が最上に居る。
悪徳の限りを尽くしたので許されない。
かせのために耳を傷つけたということからも、凶であることが察せられよう。
初爻と上爻は受刑者であるが、初爻は足、上爻は耳である。
人は自らの過ちを聞けば、改めるものであるが、驕慢が行き過ぎると人に耳を貸さなくなってしまう。
耳を滅するの凶、恐るべし。
[三爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
噬は噛む、嗑は合わせるである。
口の中に物が一つある。
頤は上に動いて物をかむ。
上のあごは動かないものである。
飲食をする卦である。
堅いものが四爻に一つある。
骨である。
また、上と下とを通わせない悪人である。
悪人を取り締まるのが刑獄である。
刑獄を用いるによいというのは、そういうことである。
雷、火は造物者󠄃が天地の間の惡を砕くためにある。
[彖傳]
上は火で下は雷。
火は陰で雷は陽である。
雷は動く。
すると火が起こり、明るくなって、悪人がよく見えるようになる。
五爻は陰爻であり、位に当たっていないが、刑獄にはよい。
なぜなら、陽であったなら強すぎて苛烈な刑罰を下す。
それよりは陰の方が良い。
[象傳]
朱子学者は雷電を電雷にした方が良いという。
上が火で、これが電、下が雷というのである。
しかし其れは良くない。
文字に拘泥して道理に背いている。
この電は雷に発したものであるから、雷電で良いのである。
三四五爻に☵がある。
是を法律とする。
世の中に悪人は絶えないものであるから、刑獄の必要性はなくならないのである。
《爻辭》
[上爻 優先]
何度も何度も罪を犯したものなので、処刑するしかない。
刑罰の時は足と耳に器械をつけるので耳が隠れる。
在任が生きる道がない。凶。
[象傳]
罪を犯した者には教官が来て、悪事をしてはならないと教え諭す。
この者󠄃は何度も罪を犯しているので、もう教え諭しも耳に入らない。
聡明でない。
[三爻]