2/8(火) ䷶ 雷火豐(らいかほう) 四爻三爻

2/8(火) 雷火豐(らいかほう) 四爻三爻


【運勢】
物事を前に進めるのに良い時である。
不安な気持ちに振り回される事無く、自らの考えに自信を持ち、明確な目標を定める事が大切である。
自分本位に行動せず、一丸となって取り組めば、如何なる困難も乗り越えられる。


【結果】
䷶◎⚪︎
雷火豐(らいかほう) 四爻三爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 老陽]
[三爻 老陽][二爻 少陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[四爻 優先][三爻]


【原文】
《卦辭》
豐は亨る。王、之に假る。憂ふる勿れ。日中に宜し。
彖に曰く、豐は大なり。明󠄃以て動く。故に豐なり。王、之に假るとは、大を尚ぶなり。憂ふる勿れ。日中に宜しとは、天下を照らす宜しきなり。
日中するときは則ち昃(かたむ)き、月󠄃盈(み)つるときは、則ち食󠄃す。天地の盈虚、時とともに消息す。而るを況や人に於いてをや。況や鬼神に於いてをや。
象に曰く、雷電皆至るは豐。君子以て獄を折し刑を致す。


《爻辭》
[四爻 優先]
九四。其の蔀を豐にす。日中斗を見る。其の夷主に遇ふ、吉。
象に曰く、其の蔀を豐にすとは、位當らざるなり。日中斗を見るとは、幽にして明ならざるなり。其の夷主に遇ふとは、吉の行なり。
[三爻]
九三。其の沛(はい)を豐にす。日中沫(あわ)を見る。その右肱を折る。咎なし。
象に曰く、其の沛(はい)を豐にすとは、大事に可ならざるをなり。その右肱を折るとは、終に用うべからざるなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
豐の義はひろめる、ひらく、微細にするである。
隠れ滞っているものを通して天下の主となって、微隱にはうまく行かない。
憂えは未だに収まっていない。
だから、豐は亨に至るのである。
そして憂えが無くなる。
豐亨憂えなきの德を用い、天中に居るべきである。そして天下を照らす。


《爻辭》
[四爻 優先]
陽を以て陰に居り、其の蔀を豐にするなり。初を得て以て發し、夷主たれば吉なり。
[三爻]
沛は幡である。盛んな光を御す所以である。沫はかすかに暗い明りである。上爻と応じる。志陰にある。陰が陰に居てもまだ闇を免れない。日中沫を見ることをいう。明かりを施せば沫をみれる。用を施せば右ひじを折る。だから自分で守らなければならない。未だ用が足らない。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
豐は盛大である。
知有りて動く。
よくうまく行く。
王者が大事業を起こす時である。
火を日とし、下に在る。
その徳の光明、あまねく四方を照らせば、憂うことなく、自然と豊大である。
人は明󠄃がなければ物を照らすことできない。
動かなければ事業は出来ない。
明にしてよく動く。
昔は湯王の徳を慕っていった。
天が王に勇智を錫(たま)う。


《爻辭》
[四爻 優先]
[三爻]
旧本では沛を旆と書いた。王弼は幡とした。内を覆い、暗いことが甚だしい。右腕を折ってしまうと行動できなくなる。明の最上に居て、陽剛正を得て、上は上爻が陰。治めることが出来ない。二爻に比である。二は陰であり、陽に順う。暗い場所に居ても、上に頼るべき君主なし。右手を折って用いることが出来ない。位は正しい。陰暗の世に居て、明正の功があり、問題ない。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
「豊」は腆(あつ)いと云う義で、物が厚く充ち満ちて居ることである。
世の中で云えば、天子が名君で政事が能く行き届いて居り、天下が盛んで富んでいることである。
しかしながらどれだけ盛んであっても、衰える所も出て来る。
下卦の離は日である。
東に在る時は未だ日が低いが、日中になれば遍く東西南北を照らし届かない所は無い。
ただし日が昃(かたむ)くといけない。
[彖傳]
天子の明徳は宜しく四海天下を照らすべきで、暗い所が出て来てはいけない。
しかしながら日が南中すれば、やがては傾いて往く所がある。
月も満ちれば、欠けて来る。
天地の道は斯くの如きもので、いつまでも保つことは難しい。
人間の主でなって居る所の鬼神と雖も、神明なることもあれば、時には神明ならざることもある。
自然の勢いと云うものは、力を以て動かすことは出来ない。
[象傳]
雷と電が一書に来るのが豊の卦である。
天下が皆富んで、上下安楽の時である。
しかし安楽であると、自然と人の心には奢りが出て来るようになる。
其処で刑罰を厳重にしなければいけない。


《爻辭》
[四爻 優先]
此れもどこ迄も君を惑はすのである。日中に大ひなる星を見る其處で之に誨へる言ばである。此九四は矢張大臣で居る。大臣たる者は飽迄君の明を蔽ふと云ふでは可けない。其所で其夷主に遇へば吉なり。夷主と云ふのは此初九を指して言ふ。其所で之に誨へる辭ばには兎角我身を全ふするには大臣の官を拗ちて其下賤なる所の我主とする其物に就て能く初九の賢人と親む様にしたならば吉であると云ふ所は速かに位を去れと云ふ事を諷諌するのである。其夷主に遇ふたならば吉である。
[象傳]
其蔀を豊にするは位當らざるなり。我身分は大臣の位に坐つて居る。其大臣の位は我が身に不相當である。小人の身を以て永く其所に居るべき譯のもので無い、其れを日中に斗を見ると云ふものは今の世の中が暗くなつて明かで無いと云ふものは此大臣が君を晦ますからである。其所で我れは大臣の地位を去つて其夷主に遇へば吉であると云ふものは行るなり、我が是迄居る所の位を去る所を言ふのである、行ると云ふは此位を棄て。去つて行く、然うすれば免れる。何時迄も富貴を貪つて居れば可けない。
[三爻]
六二は日中に北斗七星を見る程暗いが、九三に至っては小さな星まで見える程に愈々暗い。小人が盛んになって、我が寵愛を専らにするために、君の明徳を塞ぐ。九三は上六と応じて居る。上六は君の側で大臣の地位にあるが、最も小人であり、是が君を惑わす甚だしい者である。上六は豪傑で剛にして正しい所の九三を我が党派に引き込もうとするが、それを憂えた九三は自ら我が腕を折ってしまい、上六に対して用を為さないことを明らかにする。従って咎は無い。
[象傳]
小人が権勢を専らにして居れば、大事を行ってはいけない。右肱を折ると云うのは、誓って上六のための働きを為さないことを示す。

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