3/12(土) ䷸ 巽爲風(そんゐふう) 四爻二爻

3/12(土) 巽爲風(そんゐふう) 四爻二爻


【運勢】
悩んでも答えは出ない。信頼できる人の意見を仰ぎ、好機を活かすと良い。
感謝の気持ちを忘れてはならない。厳しい指摘も素直に受け止め、聞き従う事が大切である。
相手の意見を尊重する人は、相手からも尊重される。


【結果】
䷸◎四⚪︎二
巽爲風(そんゐふう) 四爻二爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陽][四爻 老陰]
[三爻 少陽][二爻 老陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[四爻 優先][二爻]


【原文】
《卦辭》
巽は小(すこ)し亨(とほ)る。往く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大人を見るに利し。
彖に曰く、重巽以て命を申(かさ)ね、剛、中正に巽して志行はる。柔皆剛に順ふ。是を以て小し亨る。往く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大人を見るに利し。
象に曰く、隨風は巽。君子以て命を申(かさ)ね、事を行ふ。


《爻辭》
[四爻 優先]
六四。悔亡ぶ。田して三品を獲たり。
象に曰く、田して三品を獲とは、功有るなり。
[二爻]
九二。巽して牀下に在り。史巫を用ふること紛若たり。吉にして咎なし。
象に曰く、紛若の吉は中を得るなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
巽の德であるから、少しうまく行く。上下ともに巽。令に違わず命が行われる。だから命が重なり、事が行われる時、上下ともに巽なのである。巽はよく仕えて行くことである。拒むものはない。大人は巽を用いて道がいよいよ盛んになる。剛が巽を用いる。中正に居るのは譲られたのである。明󠄃は間違えることがない。だから少しうまく行くのである。


《爻辭》
[四爻 優先]
剛に乘りて悔ゆるなり。然るに位を得て五を承く。卑にして奉ずる所を得。柔を以て剛を御すると雖も、尊に依りて正を履む。斯を以て命を行へば、必ず能く強暴なるを獲、不仁なる者を遠ざくるなり。獲て益有るは、三品より善きはなし。故に悔亡ぶ、田して三品を獲と曰ふ。一に曰く乾豆、二に曰く賓客、三に曰く君の庖に充つ。
[二爻]
巽の中心にいて、すでに下位にいる。
陽なのに陰位にいる。
譲るにしても甚だしい。
だから床の下に居るというのである。
下にとどまり続け正しさを失えば、咎や過ちがおこる。
よく中に居て神に対する慎みを尽くして、威勢を用いないでいるならば、吉に至り過ちもなくなる。
だから神明に仕えて居れば、混乱の中、吉を得て問題ないというのである。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
巽は順である。一陰が二陽の下に居て陽に順っている。また、入るという意味もある。風、木、命令を意味する。五爻は剛で中正である。大人の象である。命令に重複がある。初爻と四爻は陰であり、陽に順う。大きなことは出来ないにしても、小さなことは出来る。命令は、剛が過ぎれば厳しすぎて民が従えず、乱れてしまう。柔が過ぎれば緩くなり、秩序が乱れてしまう。剛中の君に柔が順う状況なら、大きな成功は見れなくても、官職について君に仕えるのに支障はない。


《爻辭》
[四爻 優先]
[二爻]
史巫は神に仕えるものであり、紛若は多いことである。
下に居て位を得ず、上に應ずるものなし。
下位に下がって上たるを知らないものである。
巽に過ぎるのである。
だから床下に居るという。
しかし、剛中の徳は失われない。
叮嚀に上と心を通わせようと求めることが、丁度神職が神明に仕えるようであれば、吉であり、問題ない。
卑巽に下に居れば、その志は徳の実践を伴わなくなるが、剛中の徳で誠意を持っていれば、人を動かすに足る。
憂いなし。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
巽は四爻目の陰爻と初爻目の陰爻が卦の主である。
陰爻は、上に重なる陽爻に順っていけば能く亨り、進んで事を行う所に宜しきを得る。
この卦はもとは山風蠱から変わったものである。
天子の晩年に政治が乱れ、崩御後に太子が即位した。
そして朝廷に入り込んだ小人を除きさり、天下を斉(ととの)えた所の象である。
古代、堯が隠居して舜に政を斉えさせたのは、まさに此の卦の義である。
[彖傳]
なし
[象傳]
巽は重ねて命令を下し、能く下へ諭す。
是までの政の弊害を悉く除いた後で命令を下す。
剛は五爻目で、中正の所に坐っており、思う通りに志が行われて往く。
柔は初爻目で二・三爻目に順う。
四爻目も五・上爻目に順う。
そこで小人は大人を見て順い事を行うのが宜しい。


《爻辭》
[四爻 優先]
[二爻]
巽(
)は牀の象がある。
二爻目は上卦の巽の下にあり牀下となる。
九二は陽で貴い身分だが傲らず、初六の陰爻にも交わる。
史は、祭りの文を書いて神に告げる官である。
巫は、舞を巧みにして神に能く事えるものである。
史も巫も孚を以て神の感じる様に能く事える。
九二は、史巫が神に事える如く、孚を以て初六へ交わる。
[象傳]
言葉の綾を盡しても、孚が乏しく外面を飾るだけではいけない。
そこで中を得ることを尚しとする。
二爻目は中を得ているから吉である。

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