4/3(日) ䷹ 兌爲澤(だゐたく) 四爻三爻
【運勢】
喜びを分かち合うのに良い時。
自分本位な考え方は身を滅ぼす。初めに意志の弱さを克服しなければならない。
真心で支え合える関係を育む事が大切である。
心を込めて恩に報いる事が出来れば、何事も上手く行くだろう。
【結果】 ䷹◎四⚪︎三
兌爲澤(だゐたく) 四爻三爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 老陽]
[三爻 老陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[四爻 優先][三爻]
【原文】
《卦辭》
兌(だ)は亨(とほ)る。貞によろし。彖に曰く、兌は說󠄁(よろこ)ぶなり。剛は中にして柔は外。說󠄁(よろこ)びて貞によろし。ここを以て天に順(したが)ひて人に應ず。說󠄁(よろこ)びて以て民に先(さきだ)てば、民その労をわする。よろこびて以て難󠄄を犯せば、民その死をわする。說󠄁の大、民勧むかな。象に曰く、麗澤(れいたく)は兌。君子以て朋友講習す。
《爻辭》
[四爻 優先]
九四。商(はか)りて兌(よろこ)ぶ。未だ寧(やす)からず。介として疾めば喜び有り。
象に曰く、九四の喜は慶有るなり。
[三爻]
六三。來りて兌(よろこ)ぶ。凶。象に曰く、來りて兌ぶの凶は位当たらざればなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
兌は喜ぶこと、嬉しいことである。この卦は☱が二つ重なってできている。☱は内に强い意志を持ち、外に対しては温和な態度で臨むので、人との付き合いはうまく行き、人間関係は良好である。内に强い意志を持ち、外に対して温和な態度の人は、天道にも、人道にも逆らわない良い人である。喜びを大切にすれば、他の人はどんな労力も厭わずに協力してくれる。
《爻辭》
[王弼]
商は量る、裁く、制するの意󠄃である。介は隔てるの意󠄃。三爻はおもねりの喜びを用い、至尊󠄄の五爻に近づく。だから四爻が剛德を以て裁き、三爻を隔てる。内を正し、外を制す。だから未だ寧(やす)からずである。危機に近づき、邪を遠ざけ、疾病を隔てる。喜びがある。
[東涯]
四爻は兌にあって、上は五爻で中正である。三爻の陰柔に比の関係(相性が良い)で、從うところを考えている。取捨して未だ決まらない。だから心が安定しない。そして質は本来は陽剛、よく正しさを守る。邪悪を遠ざければ、喜びがある。前󠄃に從えば上り、惡に從えば崩れる。君子は親しみにくく、小人は付き合いやすい。剛德を大切にすれば喜びを得る。
[三爻]
陰柔の質で履むのはその位でない。来たりて喜びを求めるものである。正しくないのに喜びを求める。邪な佞人である。外を行くのを往とし、内を行くのを來とする。内に居て喜びを求める。陰柔で不中正。上に応じる者がいない。内卦の二つの陽について喜びを求める。間違っている。下に行って喜びを求めるようでは凶。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
兌は喜びである。自然と出る喜びが本当のもので、私心からの喜びは偽りである。立心偏のない「兌」が本来のもので、立心偏を添えた「悅」や言偏を添えた「說」になるのは後の事である。彖傳が「說」の字で書くのは、喜びを言葉で表すからである。上卦下卦とも兌であるのは、己と他者が互いに喜ぶ象である。互いに相助ける所があるので、何事も亨るのである。『中庸』に「致中和天地位」とある。この中和が兌の卦にあたる。中庸の道を行い、人がそれに服し、親しみ和合するなら、天地陰陽の気までも調和する。あくまで作られた喜びでなく、正しい所が無ければいけない。そこで「貞利」なのである。
[彖傳]
「兌悅也」というのは、沢山咸の「咸感也」と同様に、「心」の字の有無と同じである。「剛中」は二爻目、五爻目が陽爻で、それぞれ上卦下卦の中を得ていることを云う。「柔外」は三爻目、上爻が陰=柔らかであることを云う。つまり剛は明らかにして正しく、外の人には穏やかで柔らかに交わるのである。それによって自他ともに喜ぶのであり、正しい所にあるのがよろしい。この卦を天地人の三才に分けてみると、上の二爻が天、下の二爻が地、中の二爻が人となる。「天に順い」というのは、五爻目は天の正しい位で、其れに上六が陰爻で順っていることである。また「人に応ずる」は、人にあたる三爻目が陰爻で、地にあたる二爻目が陽爻であるから、人に応じているのである。己が先ず喜びを起こすことで、民も喜び順う。上下和順しているから、民は労苦を忘れて働き、戦争が起これば難を犯して戦ひ、死をも忘れて尽くすのである。
[象傳]
兌の卦を澤と言う。澤は潤うという義で物に湿潤の気を含んでいる。『国語』の「周語」に、澤は美(水)を鐘(あつ)めるとある。これが麗澤である。
《爻辭》
[四爻 優先]
九四は名君の九五を輔ける大臣である。しかし傍らにいる巧言令色な小人の六三に迷わされる。九四は說び親しむ所を考えて未だ心が定まらない。其所で邪なる所の疾(六三)を隔てたなら喜びが出て来る。
[象傳]
九四の大臣に目出度き所の喜びが出て来ると共に、国家の大いなる慶びが出てくる。「慶」の字は一人の慶びでなく、大いなる慶びである。
[三爻]