4/11(月) ䷙ 山天大畜(さんてんたいちく) 四爻
【運勢】
実力を磨くのに良い時である。
堅実に目標を立てて、知識を蓄えると良い。
健全な社会の枠組みに感謝し、謙虚に過ごす事が大切である。
成功者は私利私欲に走らず、次の世代に道を作り、成長を後押しすると良い。
【結果】䷙◎四
山天大畜(さんてんたいちく) 四爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陰][四爻 老陰]
[三爻 少陽][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[四爻]
【原文】
《卦辭》
大畜は貞に利(よろ)し。家食󠄃せざる吉。大川を渉るによろし。
彖に曰く。大畜は剛健篤實輝光。日にその德を新たにす。剛上りて賢を尚ぶ。能く健を止むるは大正なり。家食󠄃せずして吉。賢を養ふなり。大川を渉るによろしとは、天に應ずるなり。
象に曰く、天山中に在るは大畜。君子以て多く前言往行(わうこう)を識して、以てその德を畜(やしな)ふ。
《爻辭》
六四。童牛の牿(こく)。元吉。
象に曰く、六四の元吉は喜(よろこび)有るなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
大畜は大きく蓄へる、とどむることである。剛健篤実でますます徳が高くなることを表す卦である。剛い者が最上位に登り、賢者を尊んで賢者を養う。賢者は家から出て朝廷に仕えはじめた。吉である。大事業をするのに良い時である。
《爻辭》
童牛とはまだ角が生えきっていない牛のことである。初爻が童牛である。四爻は初爻と相性が良い(応じている)。牿(こく)は牛の角を抑える横木のことで、牛がまだ若いので抑えることはたやすい。よくとどめておくことができるので、喜びがあるのである。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
大畜は、君が臣を止めて畜(やしな)う卦である。大は君のことである。大畜とは反対に小畜という卦がある。小畜は、臣の方が君を止めるという卦である。小は臣のことである。上卦の艮は身体である。三・四・五爻目の震は仁である。また二・三・四爻目に兌は義である。つまり仁義の徳を身の内に具えていることになる。畜の字は、止めるというだけでなく、之を育てて善くするという義がある。徳を十分に養はねばならない。君は、臣の早く出世を求める心を抑えて、十分に学問を以て徳を養わせるのである。また養われる側も、貞所を守るのが良いので、「利貞」という。「不家食吉」とは、学問道徳のある人物は君に用いられ、禄を以て養われる所となる。そのため賢人は家に居って食することは無い。朝廷に招かれた賢人は、危険なことがあっても之を踏み越えて往くのが良い。そこで「利渉大川」という。
[彖傳]
天子に剛健なる徳が具わっている。政務を執っても疲れることがなく、篤実である。篤実は艮の卦の象である。また艮の陽爻が上にあり、光輝く所がある。「日新」というのは、乾の卦で象で、日々昇り沈んでいく太陽である。「其徳剛上」は、上九を指していう。上九は剛にして一番上に居る。
[象傳]
上卦の艮は山、其の山の中に天がある。山中には天の元気が十分に満ちている。火気と水気の働きで草木が良く生じ、禽獣も繁殖する。これが大畜である。「前言」は震の象である。また震は行くという事もある。
《爻辭》
六四は大臣の位で、陰を以て陰に居る。この正しい所の大臣が、賢人を留めて養う。「童牛之告」は、牛が角を人に突き立てることが無い様に、体が小さな頃から角に木を結んで物に当たるのを防ぐのをいう。下卦の乾は陽の卦であるから、強くて剛である。その剛なる所を以て人へ突きあてるようではいけないので、子供の内からこれを引き留めて程よくする。そこで「元吉」である。
[象傳]
大臣たるものは、人材を養うにあたりその人の剛なる所を程よく引きとめる。後に、その人は立派な賢人になって国家の用を為すことになる。そこで喜ぶ所となり、喜びは後に出てくるのである。