4/12(火) ䷝ 離爲火(りゐか) 五爻三爻
【運勢】
調和を大切にすべき時である。
軽率に行動してはいけない。
辛い思いをした時は、同時に己の弱さを知る良い機会でもある。
前向きに捉えると良い。
皆が正しさを共有すれば、自然と秩序は守られ、何事も上手く行くだろう。
【結果】䷝◎五⚪︎三
離爲火(りゐか) 五爻三爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陰][四爻 少陽]
[三爻 老陽][二爻 少陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[五爻 優先][三爻]
【原文】
《卦辭》
離は貞に利(よろ)し。亨(とほ)る。牝牛を畜(やしな)へば吉。
彖に曰く、離は麗なり。日月は天に麗(つ)き、百穀草木は地に麗き、重明󠄃以て正に麗く。乃(すなは)ち天下を化成す。柔、中正に麗く。故に亨る。是を以て牝牛を畜へば吉なり。
象に曰く、明󠄃兩たび作るは離。大人以て明󠄃を繼ぎ、四方を照らす。
《爻辭》
[五爻 優先]
六五。涕を出すこと沱若たり。戚嗟若たり。吉。象に曰く、六五の吉は、王公に離けばなり。
[三爻]
九三。日昃の離。缶を皷して歌はざれば、則ち大耋(だいてつ)の嗟あり。凶。象に曰く、日昃の離は何ぞ久かるべけんや。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
離は柔であることが正しい。だから、必ず正しくして後にうまく行く。陰爻が卦の真ん中にある。牝の善いものである。外は強くて内は柔らかい。牛の善いものである。柔順を良しとする。凶暴な動物を飼ってはならない。牝牛を飼うのが良い。それぞれのものが、あるべき場所にあるのが良い。陰爻が真ん中に在ればうまく行く。吉。強暴な動物を飼うべきでない。
《爻辭》
[五爻 優先]
履むに其の位に非ず、履む所に勝へず。柔を以て剛に乘り、下を制すること能はず。下は剛にして進み、將に來りて己を害はんとす。憂ひ傷むの深きなり。沱し嗟くに至るなり。然るに麗く所尊に在り、四、逆に首となる。憂ひ傷むこと至深なり。衆の助くる所なり。故に乃ち沱し嗟きて、吉を獲るなり。
[三爻]
嗟は憂い嘆くことである。下卦の終わりに位置し、明はまさに没しようとしている。明がまさに終わろうとしている。もし人で委縮せず志を養い、為すことが出来なかったら、年老いて嗟嘆するばかりである。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
離は附くということである。一陰が二陽の間についている。火であり、日であり、電気であり、德としては明󠄃である。皆柔順であることを知っている。明󠄃は正しくあるのに良い。世の中で明󠄃を用いれば、正を失いがちである。明󠄃が二つ重なる状態で正を忘れなければ、天下を化成することが可能である。坤では牝馬の貞によいとあったが、この離では牝牛である。柔順の徳というより、柔順な人に服するのが良い。智の至りである。明󠄃とは日のことである。前の日が没しても、次の日の出がある。君子はこれを体現し、前の王の明徳を継いでいくのである。
《爻辭》
[五爻 優先]
[三爻]
錯然とは交錯したさまをいう。剛で下に居る。上に応じるものが無い。志は上を目指すが、進むことができない。慎んで敢えて進むべきでない。人は下に居ると上を目指してしまうものであるが、上に応援する人が居ない場合は成功しない。却って恥をかく。まずは慎むことである。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
離はつくの意󠄃味である。正しくあればどこまでもよい。陰が陽爻二つの間についている。この陰爻は坤からきた。牝牛は柔順であり、温厚である。二爻と五爻が牝牛であるから、柔順の徳をやしなうべきである。
[彖傳]
乾の卦の二爻と五爻に陰爻がついたのである。日月は天について天下をあまねく照らす。また百穀草木は地に附いて盛んである。明󠄃の上に明󠄃が重なっているので、重明󠄃という。それが皆正しい位置についている。日月が天下を照らすように、君主も今日も明日も正しさを失わずにいれば、あまねく天下を化すことが出来る。中正なる所󠄃に居るのは二爻である。牝牛というのは二爻のことである。天子は每日明徳を以て政治をしなければならない。
《爻辭》
[五爻 優先]
[三爻]
昃は日が下ること。缶は瓦器である。素朴なものである。耋は八十歳。下卦の最上であり、中頃を過ぎて日没に達する。革易の時である。素朴に甘んじ満足すべきである。そうしないと嗟嘆することとなり、後悔する。中に及ばない場合はまだ望みがあるが、中を過ぎてしまうと衰退に向かう。