4/18(月) ䷥ 火澤睽(かたくけい) 二爻
【運勢】
大事を行うにはまだ早い。物事の根幹を整えるのに良い時。
現実的な目標を立てると良い。
小事から着実に取り組み、視野を広げて行く事が大切である。
礼節を重んじると良い。
人間関係だけでなく、精神の安定にも繋がる。
【原文】
《卦辭》
睽は小事吉。
彖に曰く、睽(けい)は火動いて上り、澤動いて下り、二女同居して、その志同じく行はれず。說󠄁(よろこ)びて明󠄃に麗(つ)き、柔進みて上行す。中を得て、剛に應ず。是を以て小事吉。天地睽(そむ)いてその事同じきなり。男女睽(そむ)いて其の志通ずるなり。萬物睽(そむ)いて其の事類するなり。睽(けい)の時用大なるかな。
象に曰く、上火下澤は睽(けい)。君子以て同じくして異なり。
《爻辭》
九二。主に巷に遇ふ。咎なし。
象に曰く、主に巷に遇ふとは、未だ道を失はざるなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
睽は背くの意󠄃である。小さな事には吉である。二爻と五爻が相性が良く(応じている)、下の☱沢が喜んで☲火につき従い、五爻が柔(陰)であり、二爻と応じてゐる。よって大きなことには用いるべきでないが、小事には良い。
《爻辭》
睽に處り位を失ふ。將に安んずる所なし。然して五もまた位を失ひ、倶にその黨を求む。門を出でて趣を同じくし、期せずして遇ふ。故に主に巷に遇ふと曰ふなり。睽に處りて援くるを得。その位を失ふと雖も、未だ道を失はざるなり。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
睽は互いに相反して和せざる所の卦である。『説文解字』には互いに反目する貌とある。上爻の離の卦は目である。下卦は兌の卦で癸(みずのと)で、この陰の卦が主となっている。陰は小事の方が吉であって、大事は良くない。
[彖傳]
火の性は動けば上がり、水は動けば下方へ流れる。また火は物を焼いて害し、水は物を潤して生じるから、その性質は反対である。人でいえば、家族が別々になって相争う所の卦である。兌の卦は少女で、巧言令色で旨く寵愛を得ており、内の方で権を握って居る。少女を大切にして、年を取っている離の中女を遠ざけて居れば、互いに嫉妬心が起こり、火が熾(さかん)になるように互いに害しあう。兌にも毀折の象がある。しかし反目は何時までも続くのではなく、相和する所の象もある。兌は說(よろこ)んで明らかなる方へ麗(つ)く。五爻目が陰爻で、二爻目は剛で陽爻である。君臣でいえば、君が弱く、臣が強いという卦である。君を輔ける者が少ないから、大事を行うのはいけない。小事が吉である。しかし君臣は国家の為に為すべき所があり、天地は萬物を生じさせ、夫婦は一家を興す。つまり半目し合っていても志は通じており、大いなる仕事を為す所がある。
[象傳]
上る方の火と、下る方の沢とで相背くが如くである。しかし君の為に尽くそうという所は皆同じである。人によって皆長じる所が異なっており、武をもって事(つか)える者がいれば、文をもってする者もいる。君子は是を用いて事を為す。
《爻辭》