5/29(日) ䷆ 地水師(ちすゐし) 五爻二爻
【運勢】
結果が求められる時。
理想を語るだけで無く、自ら率先して行動し、その意気込みを伝える事が大切である。
相手に思いが伝われば、理想は現実となる。
普段から道理を弁え行動する事で、非常時にも秩序を保てるだろう。
【結果】䷆◎五⚪︎二
地水師(ちすゐし) 五爻二爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 老陰][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 老陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[五爻 優先][二爻]
【原文】
《卦辭》
師は貞なり。丈人なれば咎なし。
彖に曰く、師は衆なり。貞は正なり。能く衆を以て正す。以て王たるべし。剛中にして應ず。險を行ひて順。此れを以て天下を毒し、而して民之に從ふ。吉又何の咎あらんや。
象に曰く、地中に水あれば師。君子以て民を容れ衆を畜(たくは)ふ。
《爻辭》
[五爻 優先]
六五。田に禽有り。言を執るによろし。咎なし。長子は師を帥ゆ。弟子は尸を輿ふ。貞なれば凶。象に曰く、長子は師を帥ゆとは、中行を以てなり。弟子は尸を輿ふとは、使ふこと當らざるなり。
[二爻]
九二。師に在りて中なれば吉。咎なし。王三たび命を錫ふ。
象に曰く、師に在りて中なれば吉とは、天寵を承たるなり。王三たび命を錫ふとは、萬邦を懷くるなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
丈人とは莊󠄂嚴の称である。師の正しいものである。戦争が起こり民を動かす。功罪はない。だから吉。咎めはない。毒は戦争のことである。
《爻辭》
[五爻 優先]
師の時に處り、柔は尊位を得る。陰は先づ唱へず、柔は物を犯さず。犯されて後に應じ、往けば必ず直なるを得る。故に田に禽有るなり。物先づ己を犯す。故に以て言を執るべくして咎なきなり。柔は軍帥にあらず、陰は剛武にあらず。故に行ふを窮めず、必ず授を以てするなり。授けて主を得ざれば、則ち衆從はず。故に長子は師を帥いるべきなり。弟子の凶、固より其れ宜なり。
[二爻]
剛を以て中に居り、而して五に應ず。師に在りて其の中を得る者なり。上の寵を承ける。師の主なり。大役を任ずること重なりて、功なければ則ち凶。故に吉にして乃ち咎なきなり。師を行ひて吉を得れども、善く邦を懷くるなし。邦懷けば衆服す。錫ふこと重なることなし。故に乃ち命を成すことを得る。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
師は衆のことである。古は陳では五人を伍とした。それを集めて二千五百人になると師といつた。だから師とは軍のことである。内卦は水で外卦は地である。二爻のみが陽である。衆陰をすべて下卦に居る。丈人は老成した人のこと。二爻は剛中で応じている。主爻である。険難の時にあり、柔順である。天下に戦争の危機があり、人々は従う。老成の優秀な人を得て成功する。古より兵法には二つある。暴徒を誅し、乱を平らげ、民の害を除くのが兵を用いる時の根本である。良將を任じればよく尽くしてくれるので兵の要である。だから先王は戦えば必ず勝利したのである。土地は人民が居るところである。君子は庶民をよく束ねて軍団を維持する。普段は生業を保証し、戦争の時は軍人として招集したのである。
《爻辭》
[五爻 優先][二爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
師は師(いく)さの卦である。師さには、軍と師と旅と三つある。軍(いく)さは一万ニ千五百人、その次の師さは二千五百人、その次の旅(いくさ)は五百人である。此処で師と云うのは、軍と旅とを内に兼ねる意味である。師さを用いるには、正当性がなければいけない。丈人は年の長じた人のことである。これは先に生まれたものであり、次男や三男でなく、長子であれば吉である。戦争に勝った上に、正しい師さである故、咎が無い。
[彖傳]
国内の人民を以て兵を組立て、以て無道なる者を討って、之を正しくする。そうして天下に王たるべき徳が成る。二爻目が陽爻であり、剛中を得て居る。中庸の徳があり、天下悉く応じる所がある。毒の字は馬融の解に「毒者治也」とある。毒薬を以て邪を除いて能く治まる所がある。師さに勝って、その正しき所を見れば、之を咎める者も無い。
[象傳]
外卦は坤で地、内卦は坎で水である。其所で地の中に水があるという象である。また坤は国であり、地中に水が含まれているように、国内の男子は皆兵隊である。君子は多くの民を能く畜(やし)なう。
《爻辭》
[五爻 優先][二爻]