5/30(月) ䷞ 澤山咸(たくざんかん) 二爻初爻
【運勢】
相手を思いやるのに良い時。
自然な感性を大切にすると良い。
広い視野を持ち冷静に物事を捉え、その上で判断する事が大切である。
軽率な行動は慎むと良い。
誠実に正しさを守る事が出来れば、困難に遭う事はない。
【結果】䷞◎二⚪︎初
澤山咸(たくざんかん) 二爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 老陰][初爻 老陰]
《爻辭》
[二爻 優先][初爻]
【原文】
《卦辭》
咸(かん)は亨(とほ)る。貞に利(よろ)し。女を取る吉なり。彖に曰く、咸は感なり。柔上りて剛下る。二氣、感應(かんわう)して以て相與(そうよ)す。止(とどま)りて說󠄁(よろこ)ぶ。男、女に下る。是を以て亨り、貞に利し。女を取りて、吉なり。天地感じて萬物化生す。聖人人心を感ぜしめて、天下和平󠄃。その感ずる所を觀て、天地萬物の情見るべし。象に曰く、山上に澤有るは咸。君子以て虚にして人に受く。
《爻辭》
[二爻 優先]
六二。その腓(こむら)に咸ず。凶。居れば吉。象に曰く、凶と雖(いえど)も居れば吉とは、順(したが)えば害あらざるなり。
[初爻]
初六。其の拇に咸ず。
象に曰く、其の拇に咸ずとは、志外に在るなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
陰陽二気が揃ってはじめて萬物が化生する。天地万物の樣は感ずるところに現れる。同類でないものは心を通わせることが難󠄄しい。陰は陽に応じるものであるが、下でなければならない。下に在って初めて吉である。虚心になって人の意見を受け入れれば、物は感応する。
《爻辭》
[二爻 優先]
咸の道、轉り進み、拇を離れ腓に升る。腓の體は動き躁ぐ者なり。物に感じて以て躁ぐは、凶の道なり。躁ぐに由るが故に凶、居れば則ち吉なり。處るに剛に乘らず。故に以て居りて吉を獲るべし。
[初爻]
咸の初に處り、感ずるの始め爲り。感ずる所、末に在り。故に志有るのみ。其れ本にして實の如く、未だ靜なるを傷るに至らず。四、外卦に屬す。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
咸は感じることである。反転すると䷟雷風恒になる。恒の初爻がこの咸の上爻になったのである。恒の四爻が下って咸の三爻になったのである。つまり、柔が昇って剛が下りている。陰陽二気が通じ合っているのである。内卦は止まり、外卦は喜ぶ意󠄃である。☶艮の少男を☱兌の少女に下す。皆和順している。物事がうまく行き、正しくしていれば害はない。人が交わる時は、互いが得るものがないと心が通じ合わない。妄動して心の通わせあいが正しくないと、良くない。
《爻辭》
[二爻 優先][初爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
是は下経の始まりである。上経は天地を以て示した所で、下経は人を以て示す所である。人倫の道は夫婦が始まりであるので、此の卦が下経の始まりなのである。『序卦伝』では、この卦の始めに宇宙の発生の順番を「天地、萬物、男女、夫婦、父子、君臣、上下、礼儀」としており、夫婦は父子君臣に先立つ。上卦は沢、下卦は山で、沢の水気が山の上に十分に上った象であり、山の気と沢の気と相交わっている。兌は少女、艮は小男である。上は外、下は内であるから、男子が外から妻を迎え入れる所の象である。男女正しき所を以て相感じるのであり、情欲の私を以て感じるのではいけない。そこで「咸」の字は下心のつく「感」を使わない。
[彖傳]
咸は無心で咸じる所を尊ぶ。情欲の私があってはいけない。天の気が地の気の下に来て、地の気が上に上る所である。婚姻の礼は皆男子の方から女の方へ下って求める。天地陰陽相感じることで、萬物が生じるのである。
[象傳]
山上に水気が上っているのが咸の卦である。山から豊富な水が出てくるのは、山には土が満ちているようで、水気を受け容れるだけの虚なる所がある。それが為に君子も我を虚しくして、人に教えを受ける所がある。我が満ちていてはいけない。
《爻辭》
[二爻 優先][初爻]