6/13(月) ䷂ 水雷屯(すいらいちゅん) 初爻
【運勢】
世の中が雷雨の様に勢い付き、混沌とし、困難の絶えない時。
問題を一人で抱え込んではいけない。
周りの力を借りて柔軟に対応する事が大切である。
何事も安易に判断せず、今は堅実に土台を築き好機を待つと良い。
【結果】䷂◎初
水雷屯(すいらいちゅん) 初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 少陰][初爻 老陽]
《爻辭》
[初爻]
【原文】
《卦辭》
屯(ちゅん)は元(おほ)いに亨(おほ)る。貞(てい)によろし。往くところ有るに用ゐるなかれ。侯(こう)を建つるによろし。彖に曰く、屯は剛柔始めて交はりて難生ず。険中に動く。大いに亨(とほ)りて貞し。雷雨の動く滿盈(まんえい)。天造󠄃草昧(てんぞうそうまい)。侯を建つるによろしくして、寧せず。象に曰く、雲雷は屯。君子以て經綸(けいりん)す。
《爻辭》
初九。磐桓(はんかん)す。貞(てい)に居るに利(よろ)し。侯(こう)を建つるに利し。
象に曰く、磐桓すと雖(いえど)も、志正を行ふなり。貴を以て賤(いや)しきに下る、大いに民(たみ)を得ればなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
屯はなやみある象、また草が萌芽しはじめたところである。なやんで通ずることが出来ない状況である。ただし、時が至れば険難を脱して安泰な境地に至る。そのためには、正しさを固く守らねばならない。現在は草創期であり、社会の秩序がまだ整わない時である。こういう時は、適材適所で良い人材を登用しなければならない。
《爻辭》
[王弼]
屯の初に處る。動けば則ち難生じ、以て進むべからず。故に磐桓なり。此の時に處るなり、其の利、安くにか在る。唯だ貞に居りて侯を建つるのみならざるや。夫れ亂を息めて以て靜なり。靜を守りて以て侯たり。民を安んじて正に在り、正を弘くして謙に在り。屯難の世、陰、陽を求む。弱、強を求む。民、其の主を思ふ時なり。初、其の首に處りて又た下なり。爻、斯の義を備ふ。宜しく其れ民を得るべきなり。
[東涯]
磐は盤と同じであり、盤垣である。難に進もうとしている貌である。この爻は、屯の初めで陽を以って下にいる。苦しい時で卑しく、その才を用い得ていない。故に盤垣である。ただ、正しくいて詐謀偽計を用いてはならなない。かわいがるのである。故に貞に利し。陽剛の才を持って緖陰の下にいる。民衆は、服従して、その心を得ている。故に侯(こう)を建つるに利しとなる。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
屯は止まり艱(なや)むという義である。下卦の震は、出で進んで往く所の卦であるが、目の前には大いなる水があり、往こうとしても往かれない。水は険難の象で、外の世界は力の支配する恐ろしい状態で、軽々しく進めば難に遭う。天下を治めるには、仁義礼智を具えた侯を建てなければならない。
[彖傳]
震は雷で気力が強く、如何なる険難に遭っても落胆して止まることは無い。険難の中に在っても動いて出る所があり、始終は大いに亨る。初九は侯となるべき人物で、仁徳を具えている。この人が進んで遂に侯になる所の卦である。雷が動いている中に、雨が降って来て、天地の間には萬物が一杯に生まれる。真っ暗な世の中に侯を建て治めなければならない。服し集まった者を以て治めれば良く、抵抗する様な者は勝手にさせておけばよい。世の中の始まりは細やかに事を行ってはいけない。
[象傳]
経綸の経は縦糸、綸は横糸で、世を治めるのは一匹の布を織り立てる如きものである。また雷は雷気が四方に敷き施し、ちょうど縦糸を竝べる所である。綸は物を撚り合わせて集める方で、厚く集まった雲の象である。この雲雷の象によって世の中を治める。
《爻辭》