7/7(木) ䷵ 雷澤歸妹(らいたくきまい)→䷀ 乾爲天(けんゐてん)

7/7(木) 雷澤歸妹(らいたくきまい)→ 乾爲天(けんゐてん)


【運勢】
何事も楽な道などない。
物事の順序を無視し不正な道を進めば、最悪の結果を招くだろう。
己の行いを省みる事が大切である。
極端な選択は後悔の元となる。
柔軟に答えを導き出す事が大切である。


【結果】

本卦:雷澤歸妹(らいたくきまい)
之卦:乾爲天(けんゐてん)
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 老陰][四爻 少陽]
[三爻 老陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻][五爻][三爻]


【原文】
《本卦:
雷澤歸妹》
婦妹は征けば凶。利(よろ)しき攸(ところ)なし。
彖に曰く、歸妹は天地の大義なり。天地交はらざれば萬物興らず。歸妹は人の終始なり。說󠄁(よろこ)びて以て動く。妹を歸く所󠄃なり。征けば凶とは位に当たらざるなり。利しき攸なしとは、柔、剛に乘ずればなり。
象に曰く、澤上に雷有るは歸妹。君子以て終を永くし敝(へい)を知る。


《之卦:
乾爲天》
乾は元いに亨る、貞に利し。
彖に曰く、大なるかな乾の元は、萬物資りて始まる、乃ち天を統ぶ。雲行き雨施し、品物形を流く。大いに終始を明らかにし、六位時に成る。時に六龍に乗じて以て天を御す。乾道變化して、各おの性命を正し、大和を保合して、乃ち貞に利ろし。庶物に首出して、咸(あまね)く寧(やす)し。
象に曰く、天行は健なり。君子以て自ら彊めて息まず。


【解釋】
《本卦:
雷澤歸妹》
〔王弼の解釋〕
妹は少女のことである。兌は小陰で、震は長陽である。小陰が長陽を承けるので、よろこんで動く。妹を嫁がせる象である。陰陽が既に合って長と少が交わった。天地の大義、人倫の終始と言える。少女を長男に嫁がせる。少女は嬉しくない。不正を犯し、それを喜んで動くのは邪道である。終には敝を知る。


〔東涯の解釋〕
婦人のことを嫁とも歸ともいう。兌は少女、震は長男である。これは婦人が嫁ぐ時に礼を失している。二爻から五爻まで位を得ていない。三爻と五爻の陰爻が陽の上に居る。これは陰として正しくない。夫が先に声をかけて、それに妻は随うのである。これは天地の大義である。父母の命、媒酌の言を待ち、礼を尽くす。その後にそれぞれがその道を尽くして家道󠄃がなる。正しい道に由らないと、その夫婦は礼儀を乱し、制御できなくなる。


〔根本通明の解釋〕
上卦は震で長男、下卦は兌で少女である。兄たる六五の天子は、六三の我が妹を以て、諸侯に嫁がせる。兌は巧言令色で、男子を玩ぶ象がある。しかし婚姻は必ず男子の方から求めるべきものだから、女子の方から征くのは凶である。
[彖傳]
夫婦の道は、天地陰陽の道である。陰陽が正しく交わって、萬物が生じる。天地の大義は、人の大倫である。孟子も、男女室に拠るは、人の大倫と云う。兌は說び、震は動く。これは妹が帰ぐ所の義にあたる。三爻目の陰が、一・二爻目の陽の上に乗っており、柔が剛を凌ぐ所がある。これは戒めなければならず、この女が征けば凶である。
[象傳]
澤上に雷がある。雷が動けば、澤も随って動く。これは男子が動いて事を行い、女子がこれに応じる象である。婚姻を終生の永いものとするには、後々弊害が出ないように能く対策し、始めを慎まなければならない。


《之卦:
乾爲天》
〔王弼、東涯の解釋〕
無し


〔根本通明の解釋〕
乾、元亨利貞。代義易を作られた其初めは元三畫の卦乃ち乾坤震巽坎離艮兌の八卦之を小成の卦と云ふ。其小成の卦を二つ重ねた所で六畫になる之を大成の卦と云ふ、乃ち此乾の卦は以下六十四卦皆伏義之を名けたる所の大成の卦である。乾此卦が天である。設卦に乾天爲りとある、天は元亨利貞の四徳を以て萬物を生じ之れを養ふて之を成す、成して復始むる。天の徳と云ふ者は宏大なるものである。其宏大なる徳と指すものは何であるとなれば萬物を生ずる所、是れが天の徳である。生じた上には其物を成す、萬物此天の氣に因て始まって來る其れより段々萬物が出る。始まつて出る所が元である。元は始と云ふ字で物の始まる所を元と云ふ。又此元の字が大ひなると訓む。此天の元氣と云ふ物は世界中一杯に周つて居るから是れ程大ひなるものが無い。又萬物此元の氣を禀けて始まつて是も大なるに至る。暢ひて段々大きくなる。其れが爲めに此元の字が始まりとも訓み、大なるとも訓み、又首とも訓む。凡そ世の中に此天の元の徳より尊きものが無い。萬物の首らになつて居るから又首と云ふ義もある。其元を禀けて生じた萬物が段々と暢びる。暢びる丈暢びて、往くべき所迄往きて、達する所があるから之を享と云ふ。享は暢びて通ずるの義がある。利と云ふが宜しきを得るを利と云ふ。宜しきを得るとなれば、萬物暢びて宜しきを得る。中にも長短がある。長くなつて宜しきものは長くなり、短ふして其れ丈けで宜しきものは短かき所に止まる、細き物もあり太き物もあり、細くなるべき物は細くなつて宜しきを得る、太くなるべきものは太くなつて宜しきを得る、此は皆利である。又貞と云ふ事は總て萬物なる者は其物丈けに確りと出来るが正しいのである。正しく出来た上には固まつて動か無い、此れが貞。貞は正しうして固しとふ義である。其所で元は春になる。春は出づると云ふ義である、春者出也と云ふて動いて出づると云ふ義である。其所で萬物、春で始まつて出て往つて其れから暢びる。亨は夏になる、夏に至つて萬物十分に暢びて大きくなる。此夏と云ふ字が夏者假也で大ひなると云ふ字である。秋と云ふ字が秋は收なり就なりで暢びた萬物が陰氣を以て之を引斂めて來るが收むるである。引斂むる所で物就つて宜しきを得る。利は秋。貞は冬者藏なり。冬になれば、先づ其性の儘に凝つて固まる、固まつて翌年、相續して發生する迄之を蓄藏する。五毅の類が米でも豆でも皆出來て、味ひの甘い物は甘く出來、辛く出來るべき物は辛く出來る、苦く出來るべき物は苦く出來る、又酸く出來る物は酸つばい。是れが皆正しい。甘く出來る物が辛くなつては是れは正しく無い。又甘いでも酸つぱいでも無い様な物でも可けない。總て天地の間に生ずる物は皆五味の性を含んで居る。五味と云へば酸い所、苦い所、甘い所、辛い所、䶢い所、其れを皆蓄へて居る。是れは皆陰陽五行の氣を受けて居るものであるから必ず此五つの味がある。其五つの味は、物に依て萬物に至る迄、各々其性分が異つて居る。其性分丈けの所確かりと其通に成れば、正しい其儘に凝つて固まるが貞である。

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