7/17(日) ䷦ 水山蹇(すいさんけん) 三爻初爻
【運勢】
どの道を進んでも厳しい時。
焦りは失敗の元となる。
困難な時こそ真価が問われる。
修身斉家を心掛け、謙虚な姿勢で地道に努力し、力を蓄えると良い。
為せば成る。最後まで諦めず、公の為に尽くす事が大切である。
【結果】䷦◎三⚪︎初
水山蹇(すいさんけん) 三爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 老陽][二爻 少陰][初爻 老陰]
《爻辭》
[三爻 優先][初爻]
【原文】
《卦辭》
蹇(けん)は西南によろし。東北によろしからず。大人を見るによろし。貞にして吉。
彖に曰く、蹇は難󠄄なり。險(けん)前に在る。險を見てよく止まる。知なるかな。「蹇は西南によろし」とは、往きて中を得る。「東北によろしからず」とは、その道窮(きは)まるなり。「大人を見るによろし」とは、往きて功あるなり。蹇の時用大なるかな。
象に曰く、山上に水あるは蹇。君子以て身に反して德を修(をさ)む。
《爻辭》
[三爻 優先]
九三。往けば蹇み來り反る。
象に曰く、往けば蹇み來り反るとは、内之れを喜ぶなり。
[初爻]
往けば蹇(なや)み、來れば譽(ほまれ)あり。
象に曰く、「往けば蹇み、來れば譽あり」とは、宜しく待つべきなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
西南は地であり、東北は山である。難󠄄しい平地を行けば解決は難しい。難󠄄しい山地を行けば道󠄃が窮まる。爻は全部位に当たっている。正しきを履んでいるのが、邦を正す道である。ただし、難に遇うと正を失う。それは良くない。小人には対処できない。難󠄄を除くには德を高めるしかない。
《爻辭》
[三爻 優先]
進めば則ち險に入り、來れば則ち位を得。故に往けば蹇み來り反ると曰ふ。下卦の主爲りて、是れ内の恃む所なり。
[初爻]
難の始めの所󠄃であり、止まるの始めである。
事前に危ないことが分かり、其時を待つ。
往けば難󠄄に遇い、来れば誉ありである。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
蹇は難である。進むことができない。前に難があり進めず、険難があるので止まる。蹇が変わると解になる。解の二爻が外卦の五爻に行って中を得る。だから、西南がよく、止まりて進まない。東北に利なし。五爻は位に当たって中正。君を得て、國を正すことが出來る。だから賢人に遇う時であるという。世が乱れているので、蹇に遇えば身を滅ぼす。時を待って行動せよ。我が身を反省して、德を修めよ。
《爻辭》
[三爻 優先]
[初爻]
君子は安全な場所にいて、天命の時を待つ。小人は往きて難󠄄に遇い、破滅する。時を待ちて動け。名誉を求めない。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
蹇は歩行が難󠄄しい状況である。西南がよい、上卦が☵であるが、上に在る時は月󠄃である。二三四爻の互卦にも☵がある。これは三日月を表す。旧暦の三日に西南から現れ、東北になくなる。又西南は坤である。草莽にいてどこまでも学問をして學藝を磨くのかよい。何の能力もなく朝廷に出ようとしてはならない。艮は朝󠄃廷を表す。学問を修めたのなら、賢人に遇って、天下を経営するのに良い。
[彖傳]
☵の卦は大水であり、行けばおぼれてしまう。☶は止まるであるから、大水に行かずにとどまった。目の前に大水があるので、進めない。止まるべきところで止まるのが知である。西南に於いて学問を修めから、東北に行けば賢人に遇って、明君を得ることになる。今は無学であるから、進んでも利なし。険難の時代に生まれても大いに活躍できるのである。
[象傳]
君子は険難の時代には、良いことをしようとしてもうまく行かない。そこで、己を正しくして、だんだんと德を修めると二爻から上爻までは正しい位にいるが、初爻だけは陽の位に陰でいる。始めが正しくないといけない。だから君子はまず自分の修身から始めるのである。
《爻辭》
[三爻 優先]
[初爻]
外に行くのではなく、内に入ってとどまっておけば、それが誉であるという。つまり、時を待つべきである。
[象傳]
時を待たねばならない。無闇に進むのは良くない。