9/4(日) ䷑ 山風蠱(さんぷうこ) 三爻
【運勢】
現状に満足しがちな時。
迅速で力強い行動が求められる。
良い習慣を取り入れる事が大切である。
気持ちを新たにし、過去の失敗を成功への足掛かりにすると良い。
不器用でも、恥ずかしがらず全力を尽くす事が大切である。
【結果】䷑◎三
山風蠱(さんぷうこ) 三爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陰][四爻 少陰]
[三爻 老陽][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[三爻]
【原文】
《卦辭》
蠱は元いに亨る。大川を渉るに利し。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。
彖に曰く、蠱は剛上りて柔は下る。巽にして止まるは蠱。蠱は元いに亨る。而して天下治まるなり。大川を渉るに利しとは、往きて事有るなり。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日とは、終はる時は則ち始め有り。天の行なり。
象に曰く、山の下に風有るは蠱。君子以て民を振し、德を育(やしな)ふ。
《爻辭》
九三。父の蠱を幹す。小しく悔有り。大なる咎なし。
象に曰く、父の蠱を幹すとは、終に咎なきなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
下の剛は制を断じ、上の柔は令を施すべし。旣に巽また止まり、競争しない。事有りて競争の煩いがない。だから為すことがある。為すことがあれば大いにうまく行く。天下を治める。蠱は事有りて、能力のあるものを待つ時である。物は喜び従う。德を進めて業を修めればうまく行く。甲とは創制の令である。古いものを以てしてはならない。甲に先立つこと三日、甲に後れること三日、治めさせて後、誅するのである。事によって令を述べる。終われば始まる。天の運行は四季のようである。
《爻辭》
剛を以て事を幹す、其れ應ずるなし。故に悔有るなり。其の位を得るを履み、正を以て父に幹す。小しく悔有りと雖も、終に大なる咎なし。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
蠱は壊、腐敗のことである。この卦は變じて隨となる。隨の初爻が上って上爻となり、隨の上爻が下って初爻となる。だから、剛が上って柔が下るというのである。強者が弱者をしのぎ、衆寡敵せず、終に蠱壊を招く。内は巽順であり、よく物を止める。天に十日有り。甲に始まり癸で終わる。甲は事の始めである。甲に先んじるとは辛壬癸であり、統治が極まり乱れる。前󠄃の事が終わろうとする。腐敗を致す道である。甲に後れるとは乙丙丁である。乱が極まり治まるころである。腐敗を治める道である。治乱盛衰何度も反復するものであり、日が昇り暮れ、月󠄃が満ち欠け、寒暑が往来するようなものである。上下がうまく意思疎通しないと腐敗するので、巽順の道がこれを防がねばならない。そうすればうまく行くのである。
《爻辭》
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
政が大いに乱れた状態で天子が崩御し、位に即いた太子はこれを悉く一新し、天下を新たにするという卦である。蠱は器物の様な物や米などが、古くなって壊れて来る所を云う。三・四・五爻目に震の卦がある。これは長子、即ち皇太子である。上爻が父親で、初六は子であり、即ち父親は終わり子が始まるの象である。
[彖傳]
陽爻が一番上になって居るのを剛上る、陰爻が一番下になって居るのを柔下ると云う。巽は弱く姑息で敗れる。晩年の天子の周りでは、大臣の悪人が天下を紊し、朝廷には小人ばかりで、手の付けようが無い。そこで姑息にして放置して居り敗れたのが蠱である。元亨而治まるとは、新たに始めることで震の卦の象である。皇太子が即位して政を改め天下を治める。先甲は旧いものが終わり新しく始まって往くことである。後甲は辛壬癸が終わり、甲乙丙で始まっていくことである。
[象傳]
旧いものを悉く洗い除く。ニ・三・四爻目に兌の卦がある。兌は秋で、枯れた葉が山下からの風で吹き落される。これは旧弊の政事を除く義である。三・四・五爻目は震の卦である。震は春で、新しい芽がまた出てくる。
《爻辭》