9/19(月) ䷆ 地水師(ちすゐし) 四爻初爻
【運勢】
堅実に物事を進めるのに良い時。
困難な時は闇雲に進むのではなく、素直に退く事も大切である。
志操堅固な者が必要とされる。
気を引き締め過ごすと良い。
初志貫徹。一度決めたら最後までやり遂げる事が大切である。
【結果】䷆◎四⚪︎初
地水師(ちすゐし) 四爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 老陰]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 老陰]
《爻辭》
[四爻 優先][初爻]
【原文】
《卦辭》
師は貞なり。丈人なれば咎なし。
彖に曰く、師は衆なり。貞は正なり。能く衆を以て正す。以て王たるべし。剛中にして應ず。險を行ひて順。此れを以て天下を毒し、而して民之に從ふ。吉又何の咎あらんや。
象に曰く、地中に水あれば師。君子以て民を容れ衆を畜(たくは)ふ。
《爻辭》
[四爻 優先]
六四。師左次(さじ)す、咎なし。
象に曰く、左次す、咎なしとは、未だ常を失わざるなり。
[初爻]
初六。師出づるに律を以てす。否なれば臧きも凶。
象に曰く、師出づるに律を以てす、律を失へば凶なり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
丈人とは莊󠄂嚴の称である。師の正しいものである。戦争が起こり民を動かす。功罪はない。だから吉。咎めはない。毒は戦争のことである。
《爻辭》
[四爻 優先]
位を得れども應ずることなく、應ずることなければ以て行くべからず。位を得れば則ち以て處るべし。故に之を左次す咎なきなり。師の法を行ふや、右に背ろ高からんと欲す。故に之を左次す。
[初爻]
師の始め爲り。師を齊ふる者なり。衆を齊ふるに律を以てす。律を失へば則ち散る。故に師出づるに律を以てす。律、失ふべからず。律を失ひて臧ければ、何ぞ否に異ならん。令を失ひて功有るは、法の赦さざる所なり。故に師出づるに律を以てせざれば。臧からずして皆凶。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
師は衆のことである。古は陳では五人を伍とした。それを集めて二千五百人になると師といつた。だから師とは軍のことである。内卦は水で外卦は地である。二爻のみが陽である。衆陰をすべて下卦に居る。丈人は老成した人のこと。二爻は剛中で応じている。主爻である。険難の時にあり、柔順である。天下に戦争の危機があり、人々は従う。老成の優秀な人を得て成功する。古より兵法には二つある。暴徒を誅し、乱を平らげ、民の害を除くのが兵を用いる時の根本である。良將を任じればよく尽くしてくれるので兵の要である。だから先王は戦えば必ず勝利したのである。土地は人民が居るところである。君子は庶民をよく束ねて軍団を維持する。普段は生業を保証し、戦争の時は軍人として招集したのである。
《爻辭》
[四爻 優先][初爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
師は師(いく)さの卦である。師さには、軍と師と旅と三つある。軍(いく)さは一万ニ千五百人、その次の師さは二千五百人、その次の旅(いくさ)は五百人である。此処で師と云うのは、軍と旅とを内に兼ねる意味である。師さを用いるには、正当性がなければいけない。丈人は年の長じた人のことである。これは先に生まれたものであり、次男や三男でなく、長子であれば吉である。戦争に勝った上に、正しい師さである故、咎が無い。
[彖傳]
国内の人民を以て兵を組立て、以て無道なる者を討って、之を正しくする。そうして天下に王たるべき徳が成る。二爻目が陽爻であり、剛中を得て居る。中庸の徳があり、天下悉く応じる所がある。毒の字は馬融の解に「毒者治也」とある。毒薬を以て邪を除いて能く治まる所がある。師さに勝って、その正しき所を見れば、之を咎める者も無い。
[象傳]
外卦は坤で地、内卦は坎で水である。其所で地の中に水があるという象である。また坤は国であり、地中に水が含まれているように、国内の男子は皆兵隊である。君子は多くの民を能く畜(やし)なう。
《爻辭》
[四爻 優先][初爻]