9/20(火) ䷼ 風澤中孚(ふうたくちゅうふ) 四爻
【運勢】
間も無く時が満ちる。内実の伴う行動で誠意を示すと良い。
相手を思いやる事が大切である。
清き明き誠の心を持ち、地道に信頼を得ると良い。
世の流れを機敏に感じ取り、先を見据えた考えを持つ事が大切である。
【結果】䷼◎四
風澤中孚(ふうたくちゅうふ) 四爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陽][四爻 老陰]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[四爻]
【原文】
《卦辭》
中孚は豚魚吉。大川を渉るに利し。貞に利し。
彖に曰く、中孚は柔、内に在りて、剛、中を得る。說󠄁(よろこ)びて巽(したが)ふ。豚魚吉とは、信豚魚に及󠄃ぶなり。大川を渉るに利しとは、木に乘りて舟虚なるなり。中孚以て貞に利し。乃ち天に應ずるなり。
象に曰く、澤上に風有るは中孚。君子以て獄を議し、死を緩(ゆる)す。
《爻辭》
六四。月望に幾(ちか)し。馬匹亡ぶ。咎なし。
象に曰く、馬匹亡ぶとは、類を絕ちて上るなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
上四に徳があって初めて誠となる。信立ちて初めて国が治まる。柔が内に在り、剛が中を得ている。剛が中を得れば正直、柔が内に在れば、静順である。喜んで従う。競い合わない。魚は虫の潜り隠れるものである。豚は獣の卑しく弱いものである。競い合う道󠄃はない。中信の徳があつければ、どんなに弱い者󠄃でも信用に足る。木を船の空洞に用いればついに溺れない。
《爻辭》
中孚の時に居り、巽の始めに處り、説の初に應ず。正に居りて順を履み、以て五を承く。内には元首を毘け、外には德化を宣ぶる者なり。陰德の盛に充つ。故に月望に幾しと曰ふ。馬匹亡ぶとは、羣類を棄つるなり。若し夫れ盛德の位に居りて、物と其れ競爭を校れば、則ち其の盛なる所以を失ふ。故に類を絶ちて上ると曰ふ。正を履みて尊を承け、三と爭はず。乃ち咎なきを得るなり。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
孚は信である。豚魚は江豚である。大きな澤に住み、風が起これば必ず出現する。二陰が四陽の中にある。二爻と五爻は共に剛中の徳があり、心が誠実である。だから中孚というのである。己に信があれば物は必ず感じる。木が澤の上に在る。真ん中が空洞の舟であり、櫂もある。大難を過ごして、誠を守る。誠があれば物は何でも動かせる。まだ誠がない場合は物を動かせない。
《爻辭》
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
心中に存する孚に感応して動く所が中孚である。我が孚が豚魚の様であれば吉である。豚魚は豕に似た魚の事である。平生は水の上に出ないが、風が出て来る時には必ず水面に出て来る。船に乗り魚を獲る者は、風信と名付け、風を人に示す所に間違いが無いと信じる。この豚魚を信じるが如く、孚があれば人の信用を得られ、危険を踏み越えて往くことが出来る。孚は正しい所を以てするので無ければいけない。
[彖傳]
内側の六三六四は柔で、九二九五の剛は中を得て居り、中庸を得て居る。下卦の兌は說びがあり人を愛し、上卦の巽は行いが謙遜で傲らない。其所で天下の人々は我が孚の精神に感じて、悪い者も自然と善き方へ化して来る。我が方の孚を人が信用する所は、豚魚に能く及んで居る。
[象傳]
この卦を大きく見て、初二爻を一つの陽爻、三四爻を一つの陰爻、五上爻を一つの陽爻とすれば、離の卦と解釈できる。離は明らかさの象があり、白と黒を判けるが如く、罪人の善悪を能く明らかにする。互體(ニ三四爻)は震の卦で、雷の如く決する所がある。また春の象があり、萬物を生育する如く恩恵が深く、処分を緩める所がある。
《爻辭》