小過は亨る。貞に利ろし。小事に可にして、大事に可ならず。飛鳥之れが音を遺す。上るに宜しからず、下るに宜し。大吉。六五。密雲雨ふらず。我が西郊よりす。公戈して彼の穴に在るを取る。
小過は陰の過ぎたること、少し過ぎたことの意󠄃である。
小さなことをするのは良いが、大きなことをしてはならない。
昇ろうとするのは良くないが、降ろうとするのは良い。
この卦の形は☵を二倍にしたようであり、その形は大きな鳥が羽ばたいているように見える。
そこで空を飛ぶ鳥の話になる。
鳥が姿が見えないほど高く飛んでいるから、これ以上高く飛ぶべきでないというのである。
五爻は西の方から大きな雲が出来てきたが、まだ雨が降らない。
陰気が勝りすぎているからである。
優秀だが日の目を見ていない人(穴の中にいる鳥)を取り立てて(捕まえて)、補佐させよ。それでも大きなことはすべきでない。
自己の能力が不足しているので、周りの為に行動をする事は困難。
取り立てて悪い事は起こらないので、先ず自分の為に行動するべきである。
大きな事を為す場合は、周りの人間の協力が必要不可欠だろう。