臨は元(おほ)いに亨(とほ)る。八月󠄃に至りて凶有り。彖に曰はく、臨は剛浸して長ず。說󠄁(よろこ)びて順。剛中にして應ず。大いに亨りて以て正し。天の道󠄃なり。八月に至りて凶有りとは、消すること久しからず。六五。知臨す。大君の宜。吉。象に曰はく、大君の宜とは、中を行ふの謂ひなり。
臨は下を見下ろすこと、臨むことである。
下から陽が二つ目まできており、たいへん勢いがある。
また、上から下を見下ろす余裕がある。
今はとても運気が良い。
しかし、八か月後には悪いことが起きるので、そのための備えを忘れてはならない。
五爻は君位の爻である。
よく世の中の事情を知り、賢者が誰かを把握し、登用しながら統治することは、君子のあるべき姿である。
それはとてもよいことで、国は自ずと良く治まる。
良い考えを思い付いた時、それを最善だと思ってはいけない。
自分の意見のみでは無く、周りの人達が考えた意見も広く纏めて挙げる事で、初めて最善であると言える。