6/24 (水) ䷢ 火地晋(かちしん) 三爻


【運勢】

努力が実り、良い事が沢山起こる。

自分の努力が評価され、それに感化された、周りの人の徳も高まるだろう。

互いに切磋琢磨して進む事で、道を大きくひらく事が出来る。

【原文】

《卦辭》

晋は康侯用ゐて馬を錫(たま)ふこと蕃庶(ばんしよ)。晝日三接す。

彖(たん)に曰(い)はく、晋は進むなり。明󠄃地上に出づ。順にして大明󠄃に麗(つ)く、柔進みて上行す。是を以て康侯用ゐて馬を錫(たま)ふ蕃庶。晝日三接すなり。

象に曰はく、明󠄃地上に出づるは晋。君子以て自ら明德を照らす。

《爻辭》

六三。衆允(まこと)とす。悔い亡ぶ。

象に曰はく、衆之を允(まこと)とする。志上行するなり。

【解釋】

〔王弼、通解の解釋〕

《卦辞》

晋は進󠄃むである。

地上に日が昇り、あまねく天下を照らす象である。

陰が三つ上に登って太陽に付き従っている。

これは名君に人々が仕える象である。

そして立派な諸侯となり、王は恩恵を賜る。

三陰は柔順の徳がある。

柔順とは迎合のことではない。

君子の徳を明󠄃らかにする人のことである。

《爻辞》

現状は不安定であるが、志は下の二つの陰に押されて上を目指す。

上昇志向の下の者に信頼されて進めば後悔することはない。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

上卦の離は日であり、下卦の坤は地である。

つまり地上に日が初めて出た所の象である。

晋は日が出て万物が進むという義である。

『説文解字』に「日出萬物進也」とあるように、太陽の働きで万物は育ち伸びてゆく。

二・三・四爻目に艮がある。

艮は東北の間であるから、将に日が出んとする所である。

康侯は、諸侯の職分が民を康(やす)んずる所にあることに由来する。

諸侯は天子に朝するに三度御目通りをするので「昼日三接」という。

その時に諸侯は自国の名馬を献ずる。

馬十匹を献ずることを錫(たま)うという。

錫という字は古くは上下の区別なく、下から上へ差上げるのにも錫うという。

『書経』にも「衆錫帝」とある。

これが上から下に与える意味に限られるようになるのは、始皇帝の時からである。

下から上へ差上げる時には、献ずる、奉るというようになる。

蕃庶は馬十匹で多いことによる。

[彖伝]

日が出て万物が段々進んで来る、即ち天子が上に在って諸侯が進んで拝謁する所の象である。

明は離の卦の象である。

「大明に麗(つ)く」というのは、大明=乾の卦の真ん中に陰爻が麗いて離の卦になることである。

天は大明、離は明である。

「柔進みて上行す」というのは、元これは真っ暗の夜の象である地火明夷の卦であったことによる。

五爻目の陰爻が二爻目にあり、それが上行して五爻目まで往く象である。

[象伝]

日が地の下にある真っ暗な状態は、欲に覆われて徳が明らかにならない状態である。

君子は欲を取り払って、明徳を明らかにして四方を照らす。

《爻辞》

六三は六二と一緒になって君の為に尽くす所がある。

そこで衆は之を允(まこと)として信用しているから、悔は亡ぶ。

六三は陰を以て陽の位にあるので悔が出るべき所であるが、誠の深い所を以て悔は亡ぶ。

[象伝]

六三の志はどこまでも六五の為に尽くす所があるので上行する。

六二と力を合わせて君の為に尽くすのである。

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