6/27 (土) ䷻ 水澤節󠄄(すいたくせつ) 五爻

【運勢】

この不安定な世の中で、珍しく穏やかに過ごす事が出来る。

こだわりを持ち過ぎては、周囲の環境に気が立ち過ぎてしまい、良くないだろう。

難しく考えず、自然の流れに身を任せて過ごす事が大切である。

【原文】

《卦辭》

節󠄄は亨(とほ)る。苦節貞(てい)すべからず。

彖(たん)に曰はく、節󠄄は亨(とほ)る。剛柔(ごうじゅう)分かれて、剛中を得る。

「苦節は貞すべからず」とは、その道窮(きは)まるなり。よろこびて以て險(けん)を行き、位にあたりて以て節󠄄(せつ)す。中正にして以て通ず。天地節󠄄して四時成り、節󠄄して以て度を制すれば財を傷(そこな)はず、民を害せず。

象に曰はく、澤上に水あるは節󠄄。君子以て數度(すうど)を制し、德行を議(ぎ)す。

《爻辭》

九五。甘節󠄄す。吉。往けば尚(くは)ふること有り。

象に曰はく、甘節󠄄の吉は、位に居て中するなり。

【解釋】

〔王弼、通解の解釋〕

《卦辞》

節󠄄とはほどほどであることである。

この卦は陰陽の數が等しく調和がとれている。

また節目である。

物事には節目を設けて区切る必要がある。

自然界には四季があり、物には度量衡が設けられている。

陰陽が均等にあり、上卦下卦ともに陽が中をえている。

よろこび☱を以て難󠄄☵に当たるとうまく行く。

《爻辞》

五爻は剛健中正であり、ほどほどの節度があり、苦痛でない。

このまま行動していけば、良い結果が得られるだろう。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

節は竹の節に由来する。

中が空洞で通っているが、所々に節があり止まって堅く動かない。

上卦は坎で水が流れて通じるが、下卦は兌で水が止まり、節の象がある。

総ての事は竹の節の様に分限がある。

天地の間にも、君と臣の間にも、一家の中にも各々身分に応じて為す所がある。

しかし己の分を守るということも、度を越せば苦節となる。

孟子に陳仲子という人物がおり、節義を守ることを徹底する余り、無道の君から受ける禄を穢れると言って嫌悪する。

しかしそれでは生きていくことは出来ない。

我が身を苦しめ無理をしてまで節を守ろうとしてはいけない。

[彖伝]

下卦が陰=柔で、上卦が陽=剛である。

上卦の主爻は五爻目で、下卦の主爻は三爻目である。

剛と柔が上下に分かれ、陽爻は皆中を得ている。

「苦節不可貞」は行う所の道が窮して行えなくなることである。

陳仲子の様に窮することになる。

[象伝]

沢の上に水が流れる。

沢は四方に堤防があって水を溜めている。

これが節である。

程好い所に止まっている。

君子は節に則って政を行う。

《爻辞》

九五の天子は明君である。

節は十分に倹約して、程好き所を苦しまずに甘んじ楽しんで行う。

後世で言うなら漢の文帝である。

文帝は物見櫓を作るのに大工に見積もらせた所、百金掛かると言われ、人民の負担を考えて作るのをやめた。

また女の服は一尺も二尺も裾を下へ曳くものであるが、下を曳くだけの物は無用であるといって皇后の召物迄も短くした。

宮中の女は皇后に習い、皆男の着物のように短くした。

文帝は倹約を第一とし、それを甘んじて楽しんだ。

[象伝]

甘節の吉は天子の位に居って如何にも中庸の所を行うのである。

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