【運勢】
時世に心を悩ませるよりも、家族の為に生きると良い。
隠し事をせず、話し合いをする事で、家族の絆を強固に出来る。
これは、家族に諸々の好機が訪れる事だけで無く、世の中の安泰にも繋がるだろう。
【原文】
《卦辭》
家人は女の貞によろし。彖に曰はく、家人女位を内に正し、男位を外に正(ただ)す。男女正しきは天地の大義なり。家人に嚴君(げんくん)有りとは、父母の謂(い)ひなり。父は父たり。子は子たり。兄は兄たり。弟は弟なり。夫は夫なり。婦は婦なり。而して家道󠄃正し。家を正しくして、天下定まる。象に曰はく、風火より出づるは家人。君子以て言物有りて行恒あり。
《爻辭》
六四。家を富す。大吉。
象に曰はく、「家を富す。大吉。」とは、順にして位に在るなり。
【解釋】
〔王弼、伊藤東涯の解釋〕
《卦辭》
家人の爻は家族それぞれが一家を治める道について説く。
家の外の他人のことは分からない。
家人は夫人のことである。
☲は中女を表す。☴は長女を表す。
四爻が主爻である。主に女性について説かれている。
家をそれぞれがうまく治めることで天下も治まるのである。家庭円満の象である。
《爻辭》
富を治めて柔順で位に居る。
だから大吉である。
陰で上の五爻の陽爻と比の関係にある。
よく家の中を治め、富み榮える。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
家人は家族全員のことであるが、この卦は上が長女下が中女であるから、女ばかりである。
家の中がいざこざなく、よく治まるためには女がしっかりしなければならない。
この卦の女性は全員和合しており、家はよく治まっている。
国家に当てはめると、五爻が天子、二爻が皇后である。
兩方中である。
皇后の助力により、宮中はよく治まり、朝󠄃廷が治まり、天下が治まるのである。
[彖傳]
五爻が天子で二爻が皇后であり、陰陽正しい位置にある。
これはすべての家に言えることで、嚴君というのは、立派な父親と母親を指す。
子供は母親に甘えがちであるが、母親が甘やかすと子供に良くないので、厳しさが求められる。
家族それぞれが自分の為すべきことをして家はよく治まる。
婦と妻と二つの字がある。
双方婚礼を平等にするときに妻といい、旣に嫁入りしてからは婦という。
中男と兄にも嫁がある。
一つの家に三つの夫婦が揃っている。
[象傳]
この卦の場合、☴は木、☲は火である。
物を煮たり焼いたりするのは竈である。
竈をよく治めることが家を治める時の第一である。
家族は秘め事をしてはいけない。
《爻辭》
四爻は陰で陰の位に居り、長女の主爻である。
天子の妃となるので、家を富ます。
貯蓄が得意である。
[象傳]
良く家が締まっている。
婦人が立派なので家が富み栄える。
大吉。