7/26 (日) ䷈ 風天小畜(ふうてんしょうちく) 五爻

【運勢】

世の為、人の為に、という献身の心持ちはあるが、内実が伴わない。

落ち着きを持って、些事をこなす事で、良き友を得られるだろう。

常に周囲の立派な人を模範として、徳を養うと良い。

【原文】

《卦辭》

小畜は亨る。密雲雨ふらず。我が西郊よりす。

彖に曰はく、小畜は柔、位を得て、上下之に應ずるを小畜といふ。健にして巽。剛中にして志行はる。乃(すなは)ち亨(とほ)る。密雲雨ふらずとは、往くを尚ぶなり。我、西郊よりすとは、施、行はれざるなり。

象に曰はく、風天上を行くは小畜。君子以て文德を懿(よ)くす。

《爻辭》

九五。孚有り攣如たり。富むに其の鄰を以てす。

象に曰はく、孚有り攣如たりとは、獨り富まざるなり。

【解釋】

〔王弼の解釋〕

《卦辭》

大を養い、健をとどめることが出来ない。

強い志があれば、うまく行く。

四爻が主爻である。

二陰四爻は陰に陰でおり、初爻と応じている。

三爻は乗り越えることが出来ない。

小畜の勢いは密雲を作るに足る。

しかし雨を降らすには至らない。

陽の上の陰が薄く、今初爻の復道󠄃を抑えることが出来ない。

下の方は往くを尊び、上爻だけが三爻の路を固めることが出来る。

もし四爻五爻も上爻のように善畜であったなら、よく雨をふらせる。

旣に設けられているが、行われない状態である。

彖傳は卦全体を言い、象傳は四爻に特化して説明する。

《爻辭》

五爻は尊󠄄位にいて二爻を疑っていない。

二爻が来ても拒まない。

陽で陽に居る。

盛んであり、実がある。専ら固まらない。

〔伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

畜はとどめる、制止の意󠄃である。

一陰が四爻に在り、五爻はこれに従っている。

陽は大であり、陰は小である。

二爻五爻は剛であり、中を得る。

君子が君を得ることを表すので、うまく行くという。

二三四爻に☱澤がある。

岐周󠄃より西で陰陽が交わり雨を降らそうとするが、陽気がまだ盛んであり、まだ降らない。

剛のものが害をなせば柔のものが救う。

陽が陰をとどめることが出来ていない。

文德は礼樂教化をいう。

《爻辭》

五爻は相従う。

鄰とは四爻をさす。

陽が中を得ている。

四つある陽爻を信じて、引き連れあう。

同類が力を合わせ、陽が回復することを望む。

邪は正に勝てないこと久しく、勢いなく人従わない。

友なく、ことは成就しない。

五爻は旣に尊く、友が多い。

誠の心を以て仲間を大切にする。

〔根本通明の解釋〕

《卦辭》

畜は育成するの意󠄃味である。

育ててよいものにしていくことである。

小は陰、大は陽である。

又止めるの意󠄃味がある。

君が悪い方に行くのをとどめ、良い方に導くことである。

小は臣であり、君に対するものである。

君を諫めるのは難しい。

君を徹底して批判するのは正しくない。

至誠を以て諫めるのが良い。

密雲というのは細かな雲が集まって大きくなることを言う。

それは二三四爻の☱澤をさす。

雲は陰である。

陰が集まっているが陽が作用しないと雨は降らない。

上卦の風☴が雲を吹き払ってしまい、雨が降らない。

兌は西である。

東は陽、西は陰である。

西の方に雲ができる。

臣下(陰)が天下をよくしようと志す。

しかし君主(陽)がそれに応じない。

[彖傳]

四爻が主爻である。

これは人に譬えるなら周󠄃公旦であり、その徳を慕って人々が集まってくる。

下卦は☰であるから意志が強い。

意志が強いが謙遜を忘れていない。

下のものが天下をよくしようとどこまでも志すが、君主がそれに応じてくれない。

それでも下のものはどこまでも誠を尽くして君に訴える。

どこまでも諦めないのである。

そして上爻に達すると雨が降る。

君主に至誠が通じたのである。

そして、恩沢があるが、まだその時でない。

[象傳]

風が天の上をふいて雲が散じたり集まったりして、いろいろな模様ができる。

《爻辭》

五爻は四爻と手を取っている。

何事をするにも四爻の力が必要である。

誠が盛んになって、それで富む。

四爻の大臣を用いるようになったからである。

[象傳]

五爻も誠が盛んであるが、四爻の方が盛んである。

君臣ともに誠がある。

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