7/27 (月) ䷔ 火雷噬嗑(からいぜいごう) 上爻

【運勢】

「悪い心持ち」と言われる所は直さなければならない。

自分が納得するか否かと考える事自体、恐ろしい所である。

心持ちは容易に変えられないが、思い切りを持たなければ、後悔するだろう。

【原文】

《卦辭》

噬嗑は亨(とほ)る。獄を用うるによろし。

彖(たん)に曰はく、頤(おとがひ)の中に物有るを噬嗑といふ。噬(か)み嗑(あは)して亨る。剛柔分かれ、動いて明󠄃なり。雷電合して章なり。柔、中を得て、上行す。位に當たらざると雖も、獄を用うるに利しなり。

象に曰はく、雷電は噬嗑。先王以て罰を明󠄃らかにし、法を勅ふ。

《爻辭》

上九。校(かせ)を何(にな)ひ、耳を滅する。凶。

象に曰はく、校を何ひ、耳を滅するとは、聡明󠄃らかならざるなり。

【解釋】

〔王弼の解釋〕

《卦辭》

噬はかむこと。

嗑は合わせることである。

物は親しくなかったら、間を開けるものである。

物が整わず、過ちがある。

噛み砕いて合わせると通ずる。

噛まなければ通じない。

刑に服して改心するのは獄の利である。

剛柔が分かれて動けば乱れず、明らかである。

雷電が合わされば明るい。

獄に用いるべきである。

五爻が主爻である。

五爻は位に当たっていないが、獄に用いるのに良い。

《爻辭》

極刑に処す。

惡を積みて改めないものである。

いくら刑に服しても改めないので、絞首刑となり、耳を失う。

耳を失っても改めない。

これほどの凶はない。

〔伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

噬嗑は嚙合わせることである。

物が口の中に入っている。

これを嚙合わせるのである。

上下に二陽があるが、これが口である。

四爻の陽爻が口の中のものである。

内卦は動いて外卦は明󠄃るい。

この卦は賁から来ており、賁の二爻が上に昇って五爻に来ている。

位に当たっていないが、君位に居て柔順の德と勢いを失っていない。

刑罰を執行するによい。

剛と柔が卦の中を得ており、偏りがない。

《爻辭》

何は荷うである。

陽が最上に居る。

悪徳の限りを尽くしたので許されない。

かせのために耳を傷つけたということからも、今日であることが察せられよう。

初爻と上爻は受刑者であるが、初爻は足、上爻は耳である。

人は自らの過ちを聞けば、改めるものであるが、驕慢が行き過ぎると人に耳を貸さなくなってしまう。

耳を滅するの凶、恐るべし。

〔根本通明の解釋〕

《卦辭》

噬は噛む、嗑は合わせるである。

口の中に物が一つある。

頤は上に動いて物をかむ。

上のあごは動かないものである。

飲食をする卦である。

堅いものが四爻に一つある。

骨である。

また、上と下とを通わせない悪人である。

悪人を取り締まるのが刑獄である。

刑獄を用いるによいというのは、そういうことである。

雷、火は造物者󠄃が天地の間の惡を砕くためにある。

[彖傳]

上は火で下は雷。

火は陰で雷は陽である。

雷は動く。

すると火が起こり、明るくなって、悪人がよく見えるようになる。

五爻は陰爻であり、位に当たっていないが、刑獄にはよい。

なぜなら、陽であったなら強すぎて苛烈な刑罰を下す。

それよりは陰の方が良い。

[象傳]

朱子学者は雷電を電雷にした方が良いという。

上が火で、これが電、下が雷というのである。

しかし其れは良くない。

文字に拘泥して道理に背いている。

この電は雷に発したものであるから、雷電で良いのである。

三四五爻に☵がある。

是を法律とする。

世の中に悪人は絶えないものであるから、刑獄の必要性はなくならないのである。

《爻辭》

何度も何度も罪を犯したものなので、処刑するしかない。

刑罰の時は足と耳に器械をつけるので耳が隠れる。

在任が生きる道がない。

凶。

[象傳]

罪を犯した者には教官が来て、悪事をしてはならないと教え諭す。

この者󠄃は何度も罪を犯しているので、もう教え諭しも耳に入らない。

聡明でない。

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