7/30 (木) ䷴ 風山漸(ふうざんぜん) 二爻


【運勢】

何事も、段階を踏み進む事が大切である。

物事の土台がしっかりしており、正しさを守っているので、進めば上手く行くだろう。

大事を成す為に、自身の能力を発揮するのであればとても良い。

【原文】

《卦辭》

漸は女歸いで吉。貞によろし。彖に曰はく、漸は進󠄃むなり。女歸いで吉なり。進みて位を得るは往きて功あるなり。進󠄃むに正を以てす。以て邦を正すべきなり。その位剛。中をえる。止りて巽。動いて窮まらず。象に曰はく、山上に木あるは漸。君子以て賢德にをりて風俗を善くす。

《爻辭》

六二。鴻、磐に漸(すす)む。飲食衎衎(かんかん)たり。吉。

象に曰はく、飲食衎衎たりとは、素飽せざるなり。

【解釋】

〔王弼の解釋〕

《卦辭》

漸は漸進の卦である。

止まりて巽。

だから適度に進む。

巽に留まるから進󠄃む。

だから女嫁いで吉なのである。

進んで正しいものを用いる。

進んで位を得るとは五爻を指す。

この卦は進むことを主る。

漸進して位を得る。

《爻辭》

磐は山にある岩の盤石なものである。

進んで位を得る。

中に居て應ず。

本は食い扶持がなかったが、進んで得ることが出来た。

その喜びが第一である。

〔伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

漸は次順番通りに進むことである。

巽は長女、進んで上に在る。

進めることをゆつくりしなければならないのは、女が嫁ぐ時である。

五爻が位を得て、剛が中にある。

家を正し、功があるだろう。

君子が仕えるときは、進󠄃むに礼を以てし、退󠄃くに義を以てする。

五爻剛中の徳がある。

《爻辭》

磐は石の平らで安定したものであり、主に水辺にある。

和楽して漸にして柔順中正。

上は五爻に応じ、鴻が岸から立って、磐にたどりついたようなものである。

吉である。

己に徳があり、智を上から受けて、次󠄄に進む。

そして安住の地を得る。

飲食物は豊富にある。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

漸は、小さな木が次第に成長して大木になるように、順序を立てて進んで往く意である。

この卦は鴻雁(こうがん)の象を取っている。

雁は水鳥で、陰鳥であるから、陽に能く従う。

そのため婚礼の時には、雁を以て礼を行う。

即ち、女が夫に従う義を取ったのである。

また臣たるものは、必ず君に従う。

国に生まれた者は、皆君に仕えなければならないと云う義も示している。

[彖伝]

女の嫁入りは、速やかにするものではない。

六礼といって、六つの段に分かれており、順次進んで往って婚礼が成る。

また天子は天下を治めるのに、先ず我が身を正しくする。

正しい所を以て、国家を正しくすることが出来る。

[象伝]

山の上に木がある。

君子はこの義を用いて、賢徳ある人物を高い所に据え、賢人の徳を以て社会風俗の悪い所を能く直して行く。

《爻辞》

六二は九五の天子と相応じている。

六二は天子から禄を受け、飲食に事欠かず安楽である。

身の上に不自由が無く、一家を養うにも十分である。

[象伝]

人間は安楽にしているだけで、何も働かず考えも持たず、空しく飲食に飽きていてはいけない。

しかし九二は、学問や徳を以て君の為に盡す所があるから、禄を賜り裕かなのである。

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