8/8 (土) ䷑ 山風蠱(さんぷうこ) 五爻

【運勢】

大きく物事が動く時なので、この機に目的を持ち、行動すると良い。

悪しき習慣を改めて、良い習慣を取り入れる事が大切である。

様々な事を断ち切るのは難しいので、周りの協力が必要になるだろう。

【原文】
《卦辭》
蠱は元いに亨る。大川を渉るに利し。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。

彖に曰はく、蠱は剛上りて柔は下る。巽にして止まるは蠱。蠱は元いに亨る。而して天下治まるなり。大川を渉るに利しとは、往きて事有るなり。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日とは、終はる時は則ち始め有り。天の行なり。

象に曰はく、山の下に風有るは蠱。君子以て民を振し、德を育(やしな)ふ。

《爻辭》
六五。父の蠱を幹す。用ゐて譽(ほまれ)あり。

象に曰はく、父に幹す、用ゐて譽ありとは、承くるに德を以てするなり。

【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
下の剛は制を断じ、上の柔は令を施すべし。

旣に巽また止まり、競争しない。

事有りて競争の煩いがない。

だから為すことがある。

為すことがあれば大いにうまく行く。

天下を治める。

蠱は事有りて、能力のあるものを待つ時である。物は喜び従う。

德を進めて業を修めればうまく行く。

甲とは創制の令である。

古いものを以てしてはならない。

甲に先立つこと三日、甲に後れること三日、治めさせて後、誅するのである。

事によって令を述べる。

終われば始まる。

天の運行は四季のようである。

《爻辭》
柔が尊󠄄位に居る。

中を用いて應ず。

先代を承けるのに中を用いれば譽を受ける。

柔が中にあるので威力を用いない。

〔伊藤東涯の解釋〕
《卦辭》
蠱は壊、腐敗のことである。

この卦は變じて隨となる。

隨の初爻が上って上爻となり、隨の上爻が下って初爻となる。

だから、剛が上って柔が下るというのである。

強者が弱者をしのぎ、衆寡敵せず、終に蠱壊を招く。

内は巽順であり、よく物を止める。

天に十日有り。

甲に始まり癸で終わる。

甲は事の始めである。

甲に先んじるとは辛壬癸であり、統治が極まり乱れる。

前󠄃の事が終わろうとする。

腐敗を致す道である。

甲に後れるとは乙丙丁である。

乱が極まり治まるころである。

腐敗を治める道である。

治乱盛衰何度も反復するものであり、日が昇り暮れ、月󠄃が満ち欠け、寒暑が往来するようなものである。

上下がうまく意思疎通しないと腐敗するので、巽順の道がこれを防がねばならない。

そうすればうまく行くのである。

《爻辭》
腐敗がある時に柔であり、尊󠄄位にある。

二爻と応じてゐる。

柔中の君は、剛陽の臣下を任命することが出来る。

そしてその祖業を輝かせる。

自分自身の才能が腐敗を治めるに足らないならば、良く治めることが出来るものに頼るべきである。

君は衆と力を合わせて腐敗に対応すべきである。

〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
政が大いに乱れた状態で天子が崩御し、位に即いた太子はこれを悉く一新し、天下を新たにするという卦である。

蠱は器物の様な物や米などが、古くなって壊れて来る所を云う。

三・四・五爻目に震の卦がある。

これは長子、即ち皇太子である。

上爻が父親で、初六は子であり、即ち父親は終わり子が始まるの象である。

[彖伝]
陽爻が一番上になって居るのを剛上る、陰爻が一番下になって居るのを柔下ると云う。

巽は弱く姑息で敗れる。

晩年の天子の周りでは、大臣の悪人が天下を紊し、朝廷には小人ばかりで、手の付けようが無い。

そこで姑息にして放置して居り敗れたのが蠱である。

元亨而治まるとは、新たに始めることで震の卦の象である。

皇太子が即位して政を改め天下を治める。

先甲は旧いものが終わり新しく始まって往くことである。

後甲は辛壬癸が終わり、甲乙丙で始まっていくことである。

[象伝]
旧いものを悉く洗い除く。

ニ・三・四爻目に兌の卦がある。

兌は秋で、枯れた葉が山下からの風で吹き落される。

これは旧弊の政事を除く義である。

三・四・五爻目は震の卦である。

震は春で、新しい芽がまた出てくる。

《爻辞》
皇太子が天子の位に即いて政を改める所である。

これは重大な事であるから、一人で行えない。

五爻目に応じるのは二爻目で、九二の賢人を用いる。

そうして天下を斉へた所から誉を得る。

[象伝]
親の後を承け継ぎ、道徳に則った政を行う。

コメントを残す