8/9 (日) ䷬ 澤地萃(たくちすい) 二爻


【運勢】

常に誠意を持って行動し、物事の本質を見失ってはならない。

自分を慕って集まってくる人々と心を通わせて団結し、正しい道を進んで行くべきである。

この様な機会は、望んでも得られない運命的なものなので、大切にすると良い。

【原文】

《卦辭》

萃(すい)は亨(とほ)る。王は有廟(ゆうびょう)に假(か)る。大人(だいじん)を見るに利(よろ)し。亨る。貞に利し。大牲(だいせい)を用ふれば吉。往く攸(ところ)有るによろし。

彖に曰く、萃は聚(じゅ)なり。順にして以て說󠄁(よろこ)ぶ。剛中にして應ず。故に聚(あつむ)るなり。「王有廟に假る」とは、孝享を致すなり。「大人を見るによろし。亨る。」とは、聚むるに正を以てするなり。

「大牲を用ゐて吉。往く攸(ところ)有るによろし」とは、天命に順ふなり。其の聚むる所を觀て、天地萬物の情見るべし。

象に曰はく、澤、地に上るは萃。君子以て戎器を除き、不虞を戒める。

《爻辭》

六二。引いて吉。咎なし。孚(まこと)有れば乃(すなは)ち禴(やく)をもちうるによろし。

象に曰はく、「引いて吉。咎なし。」とは、中未だ變ぜざるなり。

【解釋】

〔王弼、伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

萃は集まることである。

物事がうまく行く、王は宗廟に至り、人々は集まる。

その中には偉大な人もういるので、賢人に遇う機会を得られる。

假は至の意󠄃で『春秋左氏傳』でもそのように使われている。

「六月󠄃丁亥、公大廟に假(いた)る」三つの陰が下に集まり、上は五爻に従う。

内卦は柔順であり、外卦は喜びであるから、君臣が通じ合っている。

祭祀は大切にすべきである。

古代の王は宗廟を祭り、祭祀を嚴修することで民の心をつないでいた。

《爻辭》

二爻は初爻三爻と共に五爻に従おうとしている。

中の徳が失われていないからである。

それは良いことで、王は祭祀に彼らを用いると良い。

〔根本通明の解釋〕

《卦辭》

萃の下に亨の字があるのは間違いである。

萃とは草がたくさん集まって茂っている様を言う。

地の上に沢があるので草木が密集して茂るのである。

王が宗廟を祭る時は全国から人々が集まり、特産品が集まってくるのである。

そして、豚羊牛で祭るのが良い。

そうすれば、人々の心は一つになり、何事を行うにも良い状況となる。

[彖傳]

萃は集まるの意󠄃味で、内卦は順、外卦は喜ぶ。

天下の人が天子の徳を慕って集まってくるので、天子は天下の様々なものを以て宗廟を祭る。

天命にしたがうというのは、☴巽の卦が内包されてゐるからで、天命とは風と關係があるのである。

天子の恩沢に人々は集まるのである。

[象傳]

人々が集まってきたなら、思わぬ争いごとが起こるかもしれない。

そこで油断はできず、兵器の手入れを怠ってはならぬということである。

《爻辭》

二爻は陰の位に陰でいるから正しい。

そして五爻の王の許に初爻、三爻を率いていく。

禴(やく)という夏の祭に登用すべきである。

何故なら夏はお供え物が腐りやすく、澤山は供えられない。

そんな時は、物ではなく、真心をもった二爻のような者󠄃を祭員として、神に誠をつくすのが良い。

[象傳]

他の者が四爻に気を取られていても、二爻だけは五爻の王だけを慕っている。

あくまで五爻に集まるのである。

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