8/24 (月) ䷡ 雷天大壯(らいてんたいそう) 四爻二爻

【運勢】
価値観が固まる時期にあるので、この事を強く意識して、背徳的な言動は慎まなければならない。

その上で、物事を大きく動かせば、周りも応じてくれるだろう。

正しい行いを続ければ後悔が無いので良い。

【結果】 ䷡◎四⚪︎二
雷天大壯(らいてんたいそう) 四爻二爻

《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 老陽]
[三爻 少陽][二爻 老陽][初爻 少陽]

《爻辭》
[四爻 優先][二爻]

【原文】
《卦辭》
大壯は貞に利し。

彖に曰はく、大壯は大なる者󠄃、壯なるなり。剛以て動く。故に壯なり。大壯は貞に利しとは、大なる正しきなり。正大にして天地の情󠄃見るべし。

象に曰はく、雷天上に在るは大壯。君子以て禮にあらざれば履まず。

《爻辭》
[四爻 優先]
貞にして吉。悔い亡ぶ。藩決して羸(ちぢ)まず。大輿の輹(とこしばり)に壮なり。

象に曰はく、藩決して羸(ちぢ)まずとは、往くを尚(とうと)ぶ。

[二爻]
貞吉。
象に曰はく、九二の貞吉は中を以てなり。

【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
大は陽爻をいう。

小の道は亡ぼうとしている。

大は正を得る。

故に利貞である。

天地の情󠄃は正大である。

廣く正しくあれば天地の情󠄃を見ることが出来よう。

壮大で礼に違えば凶。

凶であると壮を失う。

だから君子は大壮でありながら礼を大切にするのである。

《爻辭》
[四爻 優先]
下は剛健で進む。

憂慮すべきことがあろう。

陽で陰に居る。

行きて謙に違わず、壮を失わない。

だから正しくしていれば吉で悔いがなくなるのである。

すでに壮であり、上は陰で己の進󠄃む道󠄃ははっきり見える。

[二爻]
中位に居る。

陽が陰に居る。

謙譲を大切にして傲慢にならない。

だから吉である。

〔伊藤東涯の解釋〕
《卦辭》
陰が小で陽が大である。

四つの陽が壮である。

二陰は徐々に薄れていく。

君子の道が長く続く時である。

其れなのに正しくしていれば吉というのは何故か。

人は辛い状況では戒めの気持ちを持つが、楽しい時はとかく邪の心が生じやすいのである。

陽の道が盛んな時だからこそ、其の機を逃すべきではなく、ちょっとした間違いに警戒しなければならない。

四つの陽がみんな正しいわけではない。

私なく、天地の性である正大の道を実践すべきである。

盛大な時であるが、つまずくこともある。

君子は平素から礼法をまもる。

昔の人は天命を畏んだ。

雷ほど天威に似たものはない。

常に礼を大切にすべき時である。

《爻辭》
[四爻 優先]
四爻は大壮にあり、陽なのに陰に居る。

悔いることもあろうが、必ず正しくあれば後に吉となるのである。

咸の四爻と同じで、三がが昇ってきて陽を承けると、進行に妨害が入る。

四爻の上は二陰がある。

進んでも害はない。

雄羊が柵が開いて逃げて角を矯めない。

上爻を承ける。

だから羊とは言わない。

乾爲天の四爻に龍が居ないのと同じである。

陽であり五爻の陰を承ける。

これが輿のようで、よく大任にたえられる。

剛壮な人が智略を用いて早く進めば悔いを残す。

終に志を遂げることが出来ない。

だから正しければ吉と忠告しているのである。

昇進するときは注意が必要である。

[二爻]
二爻は大壮にあり、陽が内に在る。

上は五爻に応じ、或いは壮を用いるを疑われる。

しかし、剛にして中。

吉を得られる。

二爻に居れば位は旣にはっきりしていて、応じるものがあり人は信用する。

誰かがその壮志を疑うようなことがあっても、剛で中なのでそんなことはおこらない。

聖人はどんなときも深謀遠慮を忘れないのである。

〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
「大」の字は陽で、初爻目から四爻目まで重なっており、盛んな状態である。

また「壮」の字は、鄭玄の解に「気力浸強之名」と有り、気力が浸(つ)いて強まって来たことだと云う。

人の年齢で言えば、三十歳になり気力も積み重なって来た所である。

剛いと云っても悪い方に強ければ害を為すので、正しい方に固まって居なければならない。

[彖伝]
大なるものが極めて剛くなった。

卦徳では上卦の震は「動」、下卦の乾は「剛」である。

従って、気力が強く動いて進む。

また天の気が動き、萬物を生じる。

人間の身体も天地の気を稟(う)けて居り、動いて事を行う時は正しくなければいけない。

[象伝]
雷の気は萬物を生じる所の気である。

君子は礼に非ざれば履まずと云う。

上卦の震は身体で言えば「足」であり、「礼」は天道天理を以て、履(ふ)んで往くことである。

其処で礼に非ざる事であってはいけない。

《爻辞》
[四爻 優先]
九四は震の卦の主爻であり、正しくする所で後悔が無くなる。

併し四爻目から先は陰爻であり、先が開けているから、大いなる途と取る。

然るに雷の如くに動いて進んで往く。

[象伝]
藩根は眼の前に無く、羸(つか)れる気遣いは不要である。

最早動くべき時であるから、往く所を尚ぶ。四爻目は丁度旧暦の二月に當って居り、雷の鳴る時節であるから、時を得ている。

雷が進めば、萬物が生まれ花も咲く。

華と云う字は震の卦の象である。

[二爻]
是は乾の卦の真ん中であるから、剛に過ぎる所が無い。

正しく吉である。

[象伝]
中庸の道を用いて往くから、剛に過ぎる所が無く、正しい。

コメントを残す